暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
A's〜オリジナル 日常編
47話:士の2月13日の出来事
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「あなたは?」
「名前を聞くなら自分から、っていうのは常套句かしら?」
「あ、それは失礼しました」
指摘された俺は頭を下げる。頭を上げると、やってきた女性は笑みを浮かべていた。
「ふふふ、別に謝らなくてもいいのに」
「では改めて…。今回陸戦AAA試験の受験者、門寺 士です。といっても、おそらく知ってるんでしょうけど」
「そうね。一応試験官として君の資料はもらってるわ」
じゃあこっちも、と女性は俺の前までやってくると、手を差し伸べてきた。
「今回君の組み手相手になるクイント・ナカジマです。よろしく」
「はい、よろしくお願いします」
俺は目の前の女性―――クイントさんの手の意味を察し、握手をする。
『それぞれの自己紹介は終わったかしら?』
「あ、はい」
「大丈夫です、レティ提督」
それぞれが自己紹介を終えたところで、横にレティさんが映るモニターが現れる。
『一応紹介するわね。クイント・ナカジマ、地上本部の捜査官で、現在陸戦AA(ダブルエー)ランク保持者よ』
レティさんから言われた情報に、俺は眉を寄せる。それを察したのか、クイントさんは口を挟んでくる。
「因に私もAAAの試験官は初めてよ。ていうか試験官自体あまり経験がないわ」
「そ、そうなんすか」
「でもまぁ安心して。しっかり見させてもらうから」
「はぁ…」
クイントさんはそういうと俺に背中を見せて距離を取り始める。
『士君も準備した方がいいわよ』
「は、はい」
『ただ、さっきも言ったけど甘く見ない方がいいわよ。おそらく彼女のようなタイプ、士君は魔導師相手には初めてだろうから』
そんな謎の言葉を残して、レティさんが映っていたモニターは消える。
正面を見据えるとそこには十分な距離を取ったクイントさんが、何やら宝石らしい物を取り出していた。どうやらあれが彼女のデバイスのようだ。
「それじゃあ、いくわよ」
その言葉と共に閃光が視界を遮る。光の膜に包まれたクイントさんは、その膜を突き破るように現れる。
高い位置でポニーテイルのように結ばれていた長い髪はそのままに、黒っぽい上着のようなバリアジャケットを着ていた。
そして一番特徴的だったのが……脚部に装着しているローラーブーツらしい物と、両拳に歯車状のパーツの付いた機械的なグローブ…とでも言えばいいのだろうか。とにかく、今までに見た事のない武器だ。
「それは……」
「リボルバーナックル。私が愛用している、拳装着型アームドデバイスよ」
そう説明されても、上手く概要を掴めないが……少なくとも、フェイトやシグナムとは違った戦い方をするのだろう。
「私は準備できたわよ。さぁ…あなたも準備を、ディケイド(・・・・・)君?」
「…っ!」
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