暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
A's〜オリジナル 日常編
47話:士の2月13日の出来事
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れを聞いた彼の目は大きく見開かれ、まっすぐと私の顔を捉えていた。

「…そんな事まで聞いてきますか、普通」
「気になっちゃったんだもん」
「だもんって…どっかのガキですかあなたは…」

そうは言いながらも、彼は真剣な顔になっていた。

「……大切なもんを、なくしたくないから」
「え…?」
「俺にとって、あいつらはほんとに掛け替えのない宝物なんですよ。そいつらの笑顔が消えるのは…もっと嫌なんです」

またも静かに言葉を発する彼の表情は、とても悲しそうなものだった。

「怪人達がその笑顔を消しにやってくるというのなら、俺は何度だって戦います。そうしなきゃ、大切なもんは…守れないから」

そう言うと、彼は顔を上げて笑い始めた。
いきなりの事で私もビックリして、スバルやギンガも変な顔をしている。

「…あ、すいませんいきなり」
「い、いえ…。何かあったの?」
「いや、改めて戦う理由なんて考えてみて思ったんですけど……ずっと他人の為に戦ってると思ってたのが、実際は自分の大切なもんの為にしか戦ってないという事に、気づきましてね…」

頭をガシガシと掻きながら、彼は続けて言った。

「可笑しいですよね。結局は、ほとんど自分の為に戦ってるなんて」

私は、それを聞いてゆっくりと立ち上がり、座り込む彼へ手を差し伸べる。
それを見た彼は、ゆっくりと手を掴む。私は彼を引っぱり、立ち上がらせる。

「私は、それでも良いと思うわ」
「……え?」
「だってあなたはその理由で戦って、結果的に大切なものを守ってきたんでしょ?」
「まぁ…そりゃあ…」

私の言葉に言い淀む彼。そんな姿を見て、私はフフン、と笑みを浮べる。

「だったら、それでいいじゃない。あなたはあなたの為に戦って、大切なものを守れたんだから」
「…だけど」
「あなたの戦う理由は、結果的に誰かを守ってるのよ?それは誇ってもいいと思うわ」

そう言って、私は側にいるスバルとギンガを抱き寄せる。

「私は、この子達が幸せに過ごせる世界を作る為に、この子達の未来の為に、戦っていくつもりよ。でもそれも結局、根はあなたと同じ、自分の為に戦ってる」
「………」
「それにね……」

―――私は誰かを守る為に、誰かの笑顔の為に戦う事って、すごい事だと思うわ。

その言葉を聞いた瞬間、彼は目をさっきより大きく見開いた。そして私達に背を向けてしまう。

「…?どうしたの?」
「い、いえ…なんでも、ないです…」

そう言って背を向けたまま、何やら手を顔に添えた。後ろから見るだけでは何をしているかわからなかった。

「…ありがとうございます」
「え?」

急に言われた言葉は、お礼の言葉だった。

「そんな事、一度も言われた事もなか
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