暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
点と点を繋ぐ物語
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・・・』

『・・・駄目だよぽんず。お願いだからもう少し餌は我慢して。いい子だから、ね?』

『ぽんず。来て・・・今日は一緒に寝よう?』

『ごめんねぽんず。給料減らされちゃった・・・だからそのモフモフで慰めさせてくれよぅ〜!』

『あっはははははは!濡れぽんずだ濡れぽんず!スリムになったねぇ〜♪』

『もーだめ。ぽんずのいない生活なんて耐えられなぁい・・・うへへへ。幸せぇ〜・・・』

『大丈夫、ぽんず?もうすぐ病院着くからね?だから・・・』

『いやーただの体調不良でホンット良かった!生きた気がしなかったよ〜』

『ほれほれ、この辺を撫でられるのが気持ちいいんでしょー?』

『お手!伏せ!ツッコミ!・・・何でツッコミだけ出来てんの?』

『記念さつえーい!ぱしゃっとな!ぬふふ・・・これは私の家宝、ぽんずファイルに永久保存するのだー!』

『ねぇぽんず。この家が出来たのって、この世界における私の家族の存在確立を弄ったせいなのかな?』

『えっと、あれが槙原動物病院か〜・・・あまりお世話にならないことを祈ろうか』

『ぽんずのもふもふは世界一ィィィィィッ!超えるものは存在しないッ!!』

『ひゃっ!くすぐったいじゃんか〜・・・・・・うん、なんかありがとね?』


これは人間で言う走馬灯というやつなのだろうか、とぽんずは思った。
底無しの沼にずぶずぶと身を沈めるような暗く寒い感覚・・・そんな中で、ぽんずは思う。

世界を越えても主従になったのだから、きっと苗と自分の縁は容易には切れないだろう。今まさに命が消尽しようとしているこの瞬間にも、その考えに確信を感じた。

いつか、どこかで、どんな形でも。願わくばその時も人と猫の関係で。
輪廻転生の果てに、またお会いしましょう。
苗―――他の誰より心が脆く、故に愛おしい我が飼い主よ。


その思考を最後に、ぽんずの魂は天へと導かれるように空を昇った。

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