第玖話『雨の日の出来事』
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らしてもらおうか!」
徐々に詰め寄っていく愛、しかし、そんな二人の間に割って入った人物が居た。
それは―――
「ッ!」
「おリョウ……っ」
『総災天のおリョウ』だ。
「総災天――テメェ、普通アタシの側につくだろ」
「すでに江乃死魔に与した身。長を守る責務がある」
「あっそ……で、アンタもやろうって?」
「……お前に勝てるとは思ってない……だが譲るわけにもいかない」
「……チッ」(ちらっ)
舌打ちをしてから一瞬こっちを見る。
「OK。わかった。今回は、先輩の顔を立てるよ。その代わり、次にナメたマネしたら、コロすからな」
「んぐ……つっ、次は江乃死魔全勢力をもってブッッつぶしてやるからな!!」
負け犬が言いそうなセリフを吐き捨てて行く恋。
「やれやれだぜ」
「さっす愛さん!20対1で圧勝じゃないですか!」
恋が逃げた後すぐに、久美子が愛に駆け寄る。
「30対1までなら勝ったことあるだろが」
「今回はあっちの攻撃すら受けませんでしたよね……あ、でもここ、ひっかき傷」
「あー、これは昨日猫に――なんでもない。それよりクミ。拡声器用意してくれ」
◇◇◇◇◇
「んじゃ、コイツラの後始末よろしくね。先生」
愛の、演説が終わった後。俺は保険医の先生、城宮先生に動けなくなった、江乃死魔の連中(恋他数名は逃げた)を引き渡した。
「ああ、任せろ。ちょうど新しい薬の被験者が欲しかったんだ。なにが起きても身元不明でモルモットがこんなに……これだから稲村はやめられん」
「先生。ほどほどにね」
怪しげな笑みを浮かべる城宮先生に聞かないけど一応注意しておく。まあ、死ぬようなヤバイものは使ってないからいいか。
「……で、いつまでそこで唸ってんだ?愛」
椅子に座って顔を赤くして「うー、うー」唸ってる愛に言う。
「うっせーな。恥ずかしかったんだよさっきのが」
「さっきのって……あれか?別にいいじゃん。みんな、盛り上がってたし」
「よくねーよ。普通しないだろ。全校生徒に向かって『勝ったどー』宣言とか」
「まあ、確かに授業中に拡声器を持ち出す生徒はいないよな、普通…」
「あーもーっ」
さらに、恥ずかしがる愛。
「ふふ、あの女の娘にしては可愛いもんだ」
「母さんのこと知ってんの?」
「私くらいの年頃ならみんな知ってるさ」
それを聞いて溜息をつく愛。
「だいたい母さんのせいだよ。いろんな伝説そこら中に残してるから娘のアタシが喧嘩売られて、さっき
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