第玖話『雨の日の出来事』
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校に帰って―――」
―――ブンッッ!!
「あぶなっ!」
突然、拳が飛んできたが当たる寸前で何とか回避した。
「すっげー。愛さんの言うように裏門からここの踏切に回り込んだら、ドンピシャじゃん」
拳の主は久美子だった。
「言うこと言ってすぐ逃げるはず。だから逃げ道を潰しとけ」
「全部愛はんの読み通りや。愛はんすげー」
「辻堂軍団――っ!?先回りされてる!?」
しかも軍団全員。このままじゃまずいっ。
「全員下がれッ。ティアラを呼んでこないと」
Side辻堂雄介
お、恋が戻ってきた。なんか、焦ってるようだけどどうしたんだ?
「おかえり」
「ゲッ!辻堂愛っ!?」
校庭にいた愛とご対面。ちなみに、ティアラは愛から少し離れた所で地面に突っ伏している。
「どうしてここに……まさか、私の作戦が見抜かれて――」
「見抜くも何も、お前毎度同じことしかしねーじゃん。」
なるほど、だからあんなに落ち着いてたのか。
「っま、部下に無用な怪我人を出さない姿勢は嫌いじゃないがな……さて恋奈」
「な……なによ」
「舐めたマネしてくれた落とし前と、荒らされた校庭を直してもらわねーとな。これ、なんだか分かるか?」
何処からともなく、取り出したのは――
「ろ、ローラー?」
「そう。グラウンド整備用のローラー。通称重いコンダラ」
本当に重いコンダラなのかは知らないが、俺はアレを何処から出したのかが気になる。なんか時空を曲げてなかったか、愛のヤツ。
「選べ。荒らした校庭をこいつでならすか、アタシがならすか。ちなみにアタシがならす場合――」
――ドゴシャーンッ!!
「こうなる」
近くにあったバイクを拳で粉砕した。
「お、俺のバイクが…」
それを見ていた持ち主の族が肩を落とす。自業自得だから別に同情はしないけど。
「荒らしたのはお前だから選ばせてやるよ。ならしたいか、ならされたいか」
「ひぃいいならしたいです!いますぐに元通りにしまぁっすっ!」
急いでローラーを引いて校庭をならし始める族。
「……さて、コンダラがなくなっちまったからおまえ等はアタシの手でならすわけなんだが……」
「くそっ、相変わらずメチャクチャな……!だけど、私と江乃死魔があの程度でビビルかよ!ティアラ!起きろティアラ!」
倒れているティアラを呼ぶ恋。そして、その声のお陰なのかどうかふらふらと立ち上がる。
「うー、くらくらするっての」
「ティアラ!
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