スーパーロボット大戦OG外伝
0480話
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な風に周囲を唖然とさせたその行為も、俺に取っては当然の出来事だった。何しろ俺は雷速瞬動を使うネギとすらまともにやりあっているのだ。そしてそのネギよりも強いであろうフェイトとも。さらにはネギま世界の英雄であるジャック・ラカンとカゲタロウを相手にして1人で勝っている。……グリもいたが。
そんな俺にとって、気も魔力もない純粋に体術だけででしか戦えないこのスパロボOGsの世界で生身の人間を相手にして戦うとなれば、それこそ赤子の手を捻るどころではない程に簡単な話だ。
「どうした? お前の長年の修行の成果はこの程度なのか?」
指2本で刀を捕らえたまま、特に表情を変えるでもなくそう尋ねる。
正直、ただの人間としてはそれなりの腕なのだろう。だが刀を使う者という意味では桜咲には遠く及ばないし、純粋な戦闘力という意味では小太郎の方が圧倒的に上だった。
「くっ!」
俺の言葉に指で押さえられている刀を抜き取ろうとするムラタだが、その指2本の力で全力を出しているムラタの膂力よりも上だった。それが分かっても、尚俺を厳しい目つきで睨みつけてくるムラタ。少しでも隙を窺おうとしているのだろう。
「しょうがないな、ほら」
指で掴んでいた刀身を離してやると、地を蹴って後ろへと跳んで俺と距離を取るムラタ。
「……化け物か、貴様」
「さて、どうだろうな。少なくても普通の人間よりは強いと自覚をしているよ」
「そんなレベルじゃ済まない強さを持っているだろう」
既に人間を止めた身だ。例え真っ正面からムラタの一撃を受けても実質的なダメージは皆無だしな。まぁ、その辺についてはまだ秘密裏にしておいた方がいいからまともに食らうつもりはないが。
「もう一手、相手をしてもらおうか」
先程の一撃のように感情に任せたのではなく、ジリジリとこちらとの間合いを計り……
「いいさ、来い。少し揉んでやるよ」
「……キエエエェェェェェェェェッッッッッッッッ!」
一足飛びに間合いを詰め、気合いの声と共に刀が振り下ろされ……そのまま下まで一直線に振り抜いた。
「甘いな」
……空気を。
「な……に……」
いつの間にか横に回り込んでいた俺へと驚愕を含んだ視線を向けてくるムラタ。一瞬前までは確実に自分の刀で俺を捉えたと思っていたのだろう。それが次の瞬間には自分の真横へと回り込まれていたのだから無理もない。
そして、その鍛え上げられた喉には俺の右手がしっかりと食い込んでいる。
自分の全力で振るった刀ですら指2本であっさりと受け止める俺が、その指を自分の喉へと食い込ませている。それだけで俺が本気であったのなら、既に自分が死んでいたというのは理解したのだろう。
ギリッと奥歯を噛み締めて俺を睨みつけてくるムラタ。
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