スーパーロボット大戦OG外伝
0480話
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受ける印象は血に飢えた野獣。その男は40代だった筈だが、立ち居振る舞いには年齢による衰えを一切感じさせない。
「何やら面白い事になっていると思って戻って来てみれば……どうやら俺の勘も捨てた物じゃないらしいな」
その視線。それは面白い物……と言うよりは、まさに獲物を見る肉食獣のそれだった。だがムラタのミスは俺をその辺の人物と同一視した事だろう。
……いや、待てよ? 考えてみれば丁度いい、か?
この手の輩は自らの力が全てであり、当然その力を持たない相手に対しては侮る所がある。逆に言えば俺の持つ力を認めさせれば一目置くようになる訳だ。つまり、ここで一度手合わせして俺の力をその身に知らしめておくのはそう悪い選択肢ではない。
「俺と戦ってみたいか?」
機体だけではなく、生身の状態でも日本刀を腰にぶら下げているムラタへと向かってそう告げる。俺の隣でその言葉を聞いたリーダー格の男は俺のその言葉に目を見開いてこちらを見ているが、何かを言う前にムラタが口を開く。
「ほう、俺と戦うというのか? まだ若いようだが、その意気や良し!」
シャリィンッ、という金属の音を立てつつ左腰から日本刀を抜くムラタ。それを顔の横まで柄を持ってきて構える。いわゆる八相の構えという奴だ。
「……どうした、貴様も獲物を抜け」
こちらの隙を窺いながら口を開くムラタ。だが俺はその様子にただ苦笑を浮かべる。
「己の実力を過信しているのか、あるいは俺の実力を見抜けない程に実力差が開いているのか……さて、どちらだ?」
「何だと?」
その言葉が挑発だと分かっていても、ムラタにとっては決して聞き逃す事の出来無い言葉だったのだろう。ただ敵を斬るだけの為に腕を磨いてきた筈の自分が相手にならないと言われているのだから無理もない。それもまだ自分の半分も生きているかどうかという俺に。
「その言葉……後悔するなよっ!」
まるで咆吼とでも言うように叫び、周囲の男達を置いたままで一足飛びに地を蹴り俺を間合いへと入れる。そして渾身の力を込めて俺の大言壮語をあの世で後悔しろとばかりに頭部を狙って渾身の力で刀を振り下ろし……
「甘いな」
その、振り下ろされた刀を右手の親指と人差し指でそっと挟むようにして受け止める。
「何ぃっ!?」
信じられないとばかりに驚愕の声を上げるムラタ。それは周囲にいる者達も同様であり、今目の前で何が起きているのかを理解出来ないとでも言うような表情でこちらを見ている。
それもそうだろう。この男達のリーダー格が先程言った『この場にいる全員で掛かってもムラタ1人には勝てない』という言葉。それ程までに高い戦闘能力を持っているムラタの放った一撃を、指2本で事も無げに受け止めたのだから。
だがそん
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