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鈴を鳴らす水賊頭
水賊頭と面倒なクエスト
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ぇとクエストを再開する。

 ……や、ほんと頼むから後一、ニ回で終われよ……!














「七回って……アレから七回ってなんだよ……んなろぉ」


 合計何回やったか数えてないが、少なくとも十回は繰り返したと思う。最後に倒した後に、何やら特殊なアイテムがドロップし、面倒くさい工程の終了を告げた時の、あの嬉しさといったらない。
 別の意味で疲れた俺は、クエストを依頼した男の元へドロップ品を届けに行った。


「これは……あの雌牛の角……!? 有難うございます! 本当にありがとうございます!!」
「……おう」


 ま、NPCとは言え感謝されると嬉しいもんだ。

 俺は何やら小さな壺と、少ないながらも金を受け取ると、即行で宿屋へと行き、部屋を借りて床に倒れ込んだ。


 ……もう二度としたくねぇ……何でちいせぇ壺一個の為にあんなことしなきゃならねぇんだ……


 俺は甲刀を寝たままそこらに投げだすと、床に突っ伏した格好のままで寝てしまった。















 「くぁ〜……ぁ」


 次の日の早朝。


 目を覚ました俺は、情報を得る為に村を歩きまわる。と、ある道具屋の店先に、何やら厚めのパンフレットが置いてあったのだ。


「おっさん! これ幾らだ?」
「そいつは無料だぜ、盗賊兄ちゃん」


 NPCでは無く後ろから帰ってきた答えに振り向くと、そこにはチョコレート色の肌を持ったスキンヘッドの、190はあろうかという大男がいた。(ちなみに俺……というか兄貴の身長は181)


「マジか! マジで無料なのかよ……こりゃいいぜ」


 手にとってもお金を払えなど言われなかったのでその言葉が真実と分かり、少し儲けた気分でパンフレットを眺める。


「あ〜……あのよ、こんな事言うのはマナー違反だと思うんだが……あえて言うぞ」
「アン?」
「……何でお前、上半身の装備が腕だけなんだ? さっきも言ったが刺青や腰の鈴、頭のヘアバンドとかで、やっぱり盗賊に見えるぞ?」
「これは俺なりの“スタイル”って奴だ! 俺はこれを貫くぜ!」
「……まぁ、そこまでコダワリ持っているんなら別にいいんだが…」


 大方、この男は“あんたのその格好じゃ悪人と間違われるから、誤解を生む前に変えた方がいい”と言いたいのだろう。だが、俺はやっと手に入れた憧れそのものを捻じ曲げるつもりはない。


「そう言えば知っているか? この先の《トールバーナ》で、近々ボス攻略会議が行われるらしいぞ」
「ボス攻略会議だぁ?」
「ああ。なんでも最前線のプレイヤー達がもうすぐ出迷宮句のボス部屋まで到達
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