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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第214話】
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いる。
俺も既に髪は濡れ、何度も顔を拭いながらキッと目付き鋭く気合いを入れ直す。
その俺の表情を見た楯無さんは、一瞬目を見開くが、直ぐに柔らかな笑みを溢す。
「……何か策があるのかしら? さっきよりも、気合いの入った表情ね」
「…………」
俺は答えない。
否、答えられない。
策があるのか?
残念ながら策なんか思い付かない。
当たったと思っても、実は分身体だったって事になるだろうし。
……だからといって、やはり何もせずに負けるというのは俺自身が許せない。
……前までは戦うのも好きじゃなかったが、やはり慣れというやつなんだろう。
疾風が粒子化し、四散して空に散ると新たに掌には天狼が形成され、腰だめに構える。
その様子を見た楯無さんも、分身体を含めて全員がランスを構えた。
この間に俺の周囲を包囲した水の弾丸で攻撃すれば普通に勝てただろう。
仮に俺が八式を起動したとしても、蒸発した水の弾丸は水蒸気となり、また形成されて俺を襲う無限ループ方式が完成されるので、無駄なエネルギー消費をするぐらいなら起動せずに、俺の攻撃に合わせた方が良いだろう。
腰だめに構えた天狼を持つ手に自然と力がこもる。
……ふと、雲の隙間から陽光が雨と一緒に差し込む――。
それを合図に、俺は駆け出した。
その瞬間、表情が変わる楯無さんは分身体である楯無さん二人に命令を送ったのか、左右に別れて展開後、一斉にランスによる突きで襲撃――それを前方に跳躍し、前方に一回転しながら二基の八式を起動――ランスの突きからの動作で動けなかった分身体の背部に八式の矛先が突き刺さった。
それと同時に、型どっていた水は崩壊し、四散した。
……爆発しなかったのは、何故かは解らないが、もしかすると力量を計るためなのかもしれないし、データ収拾の為に簡単に決着をつけさせない為かもしれない。
前方に着地した俺はそんな考えをしながら突き進む。
だが次は先手を打ってか、既に分身体五人が待ち受けていて、一斉にランスに備わったガトリング砲からの射撃。
……とは言っても、水の弾丸だからか周囲にはガンスモークが立ち込める事は無いのだが、威力自体は変わらないと見ていいかもしれない。
昔教わったマルチステップを駆使し、一気に肉薄するや腰だめに構えた天狼を振り抜き、周囲にいた四人の分身体を切り裂くと同時に勢いそのまま跳躍と同時に天狼で切り上げた。
分身体と解っているとはいえ、胴が分断され崩れ落ちる分身体に、真っ二つに切り裂かれた分身体を見るとやるせない気持ちに駈られる。
直ぐ様分身体を形成していた液状は周りへと四散し、周囲を濡らす。
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