第二章 四話 ロボットは漢の浪漫
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閉ざされた扉が横にスライドする様子はカケラも無い。
「仕方ねえ」
一歩下がり、腰のスークリフブレードを抜く。
それを一振りすると、電子ロック端末が真っ二つに切り裂かれショートの火花を上げる。
もう一度開閉ボタンを押すと、今度は開かずの扉がスライドしてその中を晒す。
「............む?誰だね?」
なんと、中には捕虜にされていたのだろうやつれた姿の男が縛られていた。
「あんたこそこんなところでなにしてやがる。スカーバレルの連中はみんな逃げちまったぞ。」
「おや?そうなのか。なるほど。確かに少し前から看守の姿が見えないわけだ。」
能天気な返答に面食らったギリアスであった。
*
ユニコーン タラップ
バークがカタパルトを搭載するべくドカチンやってる間、白野は経理担当のバウトと協力して今回の新型艦載機開発に注いだ予算を算出していた。
これでも責任感のある男なので、自分の趣味で始めたことでクルーに負担がかかると理解し、それを軽減すべく部下にやらせればいいことを自分から買って出るのである。
超高性能携帯型量子演算装置【ソロヴァン】を駆使して予算の概算を行う二人。
「......手に入れた資材はどの程度余ってましたっけ?」
「レアメタル系がざっと32トン。装甲材が50トン。艦船内装モジュールの既製品が合わせて21種類。食糧などの生活必需品がユニコーンの換算で一ヶ月分ある。ギリアスが分捕った分は外しているからな。」
分捕り品のリストからつらつらと報告する白野。
報告された内容に合わせてバウトはソロヴァンのコンソールをタイプしデータを入力する。
「生活必需品はそのままいただくとして......余った装甲材、レアメタル、内装モジュールのネージリンスでのレートから換算すると......そうですね、概ね44635Gは下らないでしょう。ただし、一箇所で纏めて売ると買い叩かれますから惑星ごとに一定の量売り払う方法を取るとすれば一週間でだいたい5000Gの収入になるでしょう。」
かなりの大幅な収入である。
小マゼランの豪商も、これほどの稼ぎをする程の規模の会社はセグェン・グラスチくらいでしかない。
「潤いますね。」
「そうだな。拠点を一つ潰しただけにしては相当な見返りだ。」
「大マゼランではこうはいきませんでしからね。やはり、小マゼランは治安が悪いから海賊も好き勝手に活動出来るのでしょうかね?」
「だろうな。カルバライヤにしろネージリンスにしろ、仮想敵国との睨み合いに終始するあまり国民の生活を脅かす海賊の対策にまでは手が回っていないのだろう。国民の生活水準が下がれば、その国民の支援の元で成り立っている軍隊など容易に弱体化するというのにな。」
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