フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第六十九話 終わりに向けて
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「つかよ、お前は本気で男なのか?実は女でした、とかじゃなくて?」
「・・・何でおれの性別が疑われてんだよ・・・」
「だって、なぁ・・・」
チラリと横目でソレイユのことを見るシリウス。シリウスの言いたいことを理解したソレイユはため息混じりに愚痴った。
「おれだって好きでこの姿になった訳じゃねぇよ・・・」
ALOの容姿はランダムで決まる。だからこそ、ソレイユは好き好んでこんな姿をしているわけではない。運良く(?)その容姿を引き当ててしまっただけなのだ。まぁ、その当たりを引けるだけのリアルラック値を誇るソレイユが原因と言えば原因なんだが。
「んなことより、いくぞ」
「おう。そうだったな」
そういって二人は華麗な装飾が施されている扉へと歩いていく。
『未だ天の高見を知らぬ者よ。王の城へ至らんと欲するか』
グランド・クエストの挑戦意志を質すメッセージがソレイユの前に現れる。迷うことなくYESボタンをソレイユは押す。
『さればそなたが背の双翼の、天翔に足りることを示すがよい』
巨大な妖精の騎士が言い終えると、扉が轟音を立てて開いていく。
「そういや、これどんなクエストなんだ?」
「守護騎士とおもしきMobを倒しながら天蓋にある城へとつながる扉を目指す、みたいな感じの」
「・・・聞く限り簡単な気がするんだがなぁ・・・」
「守護騎士一体一体の実力はさほど高くない。けど、天蓋に近づくに比例して守護騎士のポップ率が上がっていく。半分を超えたあたりで天蓋を埋めつくさんとする数の守護騎士が相手だったりするわけだ」
「いわゆる数の暴力か」
「ああ。まさに言葉通りだな」
プレイヤーには決してまねできないような人海戦術を使ってくる守護騎士たち。しかも、プログラムで統制されているため連携もしっかりとってくるし、守護騎士同士がが邪魔しあうことも全くない。
ということを、開いた扉をくぐりながら話すソレイユとシリウス。二人に緊張の色は見えずいつも通りだった。
「そういや、あの不死鳥クエストやってたお前ならこういうの得意なんじゃねぇの?」
「あれとこれとは趣旨が違う。少なくともあれの開発者はここまでねじ曲がってなかったよ」
しっかりと装備を整え、レイドパーティーを組んで挑めばレジェンド・クエストはクリアすることができる。だが、今ソレイユたちが挑戦しているクエストはクリアさせる気がないのではないかということを思わせる仕様になっている。それとこれを比べることは件のレジェンド・クエストを制作した高峰恭介に失礼というものだろう。
「まぁ、なんにせよ。さっさと面倒事は片づけたいものだな」
「右に同じ」
扉をくぐった先にあった巨大なドームの中に明かりが灯る。上
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