第一章
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第一章
YOU ARE A REPLICANT
とりあえずだ。顔は変えた。
俺の顔からあいつの顔にだ。それは変えた。
鏡を見る。絶対に俺の顔じゃない。
あいつの顔になった。それでだった。
共犯者の奴にだ。こう尋ねた。
「何処か違う場所あるか?」
「ないわ」
こうだ。返答が返ってきた。共犯者は俺の恋人だ。整形の名医だ。ちなみに俺は外科医だ。メスの扱いとかには慣れている。
「私が手術したしね」
「悪いな。しかしな」
「あいつになりすますことね」
「あいつは許せないからな」
実は俺の今の顔は俺達の共通の敵だ。とんでもない屑で悪事の限りを尽くしていやがった。俺も俺の恋人も詐欺にかかっちまった。
しかも刑事告訴してもそれがだ。奴の知り合いの弁護士に無罪にさせられた。何処までも忌々しい話だった。それで俺達は考えた。
あいつを殺す。そうすることにした。しかしだった。
下手に殺したら俺達に嫌疑がかかる。何しろ俺達があいつに騙されたのは誰でも知ってることだ。それじゃあ疑われて当然だ。
それは避けたかった。それでだった。俺達は考えた。
俺があいつになりすます。そうすることにした。恋人が俺の顔を整形してくれた。そうしてからだった。
俺達はだ。それからも綿密に話をした。
「あいつを殺してからもだな」
「そうね。どうするかよね」
「あいつになりすますには」
「まず死体を消しましょう」
それもだった。考えた。
「殺し方は」
「証拠を残さないことね」
このことについても考える。
「それについては」
「毒がいいか?」
俺は言った。まずはそれだった。
「それで殺すか」
「それはどうかしらね」
だが恋人は毒にはだ。異議を呈してきた。
「毒はね」
「一服盛るのは駄目か」
「無理よ。あいつに近付くだけでも疑われるわ」
こう言ってだ。それは駄目だというのだ。
「それはね。止めておきましょう」
「じゃあどうする?」
「正攻法でいきましょう」
これが恋人の提案だった。
「それでね」
「正攻法かよ」
「ええ。あいつの家に行ってそれで殺す」
そうしてはというのだ。
「そうしましょう。それだと証拠が残るだろ」
「大丈夫よ。もう指紋も変えたし」
「声もな」
その心配はなかった。完全にだ。
「後はね。あいつの部屋であいつを殺して」
「そういえばあいつは一人暮らしだったな」
独身だ。それはもう調べてわかっていた。
「それじゃあ忍び込んでな」
「二人でね」
「それで殺して」
それからだった。俺達はさらに話す。
「死体ね」
「硫酸で溶かすか」
俺はこう提案した。今度は俺からだった。
「そうするか」
「そうね。
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