フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第六十八話 余裕がない心
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スキル構成の確認やアイテムの確認などをしていた。スキル構成は火属性と光属性の混同。装備する武器はエクリシスとレーヴァテイン。
準備を終えたソレイユはキリトたちの現在位置を確認した後、腰かけていたベッドから立ち上がり部屋を出て行く。どうやらキリトたちは先に言ったようで現在街中を世界樹の根元に向かって歩いているようだった。
宿を出てあらためてアルンの街並みに眼をやると、雑多だが活気があふれている街だということがすぐに分かった。そんな街並みを眺めつつ世界樹の根元に向かって歩いていると、上空にぽつんと滞空している一人のプレイヤー――リーファ――がいた。ソレイユの場所からでは表情が見えないためどうして滞空しているのかがわからないので、翅を振るわせリーファのもとまで飛んでいくソレイユ。
「おーい。どうしたよ、こんなところで飛ぶなんて」
「・・・・・・」
「おーい・・・」
返事がないリーファを訝しんだソレイユはリーファの正面に回り込み顔を覗き込むと、今にも泣きだしそうな表情がそこにあった。
「・・・何があった?」
「・・・キリト君が、世界樹の攻略に・・・」
掠れた声であったがソレイユはリーファの言いたいことを理解した。
「(大方、ユイ辺りがアスナのIDでも見つけたか・・・)」
この場で起きたことをすべて理解したソレイユは、未だ泣き出しそうな表情のリーファに向かって口を開いた。
「おい、リーファ。蘇生魔法は使えるか?」
ソレイユの質問にリーファは首をフルフルと横に振るう。
「なら、蘇生アイテムは?」
「そ、それなら≪世界樹の雫≫っていうのが一個だけ・・・」
「なら行くぞ」
そういって翅を羽ばたかせようとするソレイユ。だが、ソレイユの言いたいことが全然理解できないリーファは困惑しながらソレイユの手を掴み問い掛けた。
「ちょっと、待って!行くってどこに!?」
「世界樹の根元のドーム。そもそもあいつ一人で世界樹の攻略なんて無理だ」
そう断言するソレイユにリーファは難しい顔をした後、掴んでいたソレイユの手を離しソレイユを無視して翅を振るわせる。それに若干呆れながらリーファの後を追う形で翅を羽ばたかせて世界樹の根元に向かう。
世界樹の根元に着いた二人が見たのは、本来閉じているであろう華麗な装飾が施された扉が開いている光景だった。
「あの馬鹿は・・・」
アスナに会いたい気持ちはソレイユにもわからなくもない。ない――のだが、だからと言ってなぜここまで来て仲間をおいていくのか、ソレイユは理解に苦しむ。そもそも、未だに誰も突破できなかったこのクエストをお前が一人で挑んだとしても突破できるわけがないだろう、とがらにもく叫びたい気持ちになったソレイユだったがそれよりもすべ
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