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フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第六十八話 余裕がない心
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んだが、お前何時くらいに入れる?」

「早くて三時ちょっと過ぎだな」

「なら入ったら準備整えて樹の根本に集合ってことになるな」

しゃべる合間を縫いながら食べていたサンドウィッチがなくなると桜火はホットココアが入ったコップに手を伸ばしちびちびと飲む。

「そういや、桜火。お前一人でアルンまで行ったのか?」

「いんや。キリト君と向こうで知り合った人と三人で」

「キリトってあの?」

「そっ、SAOの英雄様」

「ふーん・・・」

冗談めかしに桜火がそういうが烈は大した反応も見せず、相槌を打つだけだった。

「反応薄いな・・・何とも思わんの?」

「特になにも。名声がほしかったわけでもないしな」

「ふーん。ところで総務省のお役人さん来た?」

「来たぜ。入院中にな」

病み上がりなのに迷惑きわまりないぜ、とうんざりしたようにいう烈。椅子の背もたれに背中を預け天井を仰いだところで思いついたように聞き返してきた。

「お前の方はどうだったんだ?」

「来たらしいよ」

「らしい?」

「ああ。姉さんが追い返したみたい」

「・・・それはまた・・・」

どういう経緯でそうなったのか知りたくなった烈であったが、それよりも気になることがあったのでそっちを聞くことにした。

「それよか、俺らだけで世界樹攻略なんてできんの?」

「さあ」

「さあって、おい・・・」

「なんとかなるだろ」

「・・・お気楽だなぁ、おい」

と言う烈であったが心の中ではそんなこと思っていない。SAOの時から月影 桜火/ソレイユと言う人物は下準備に抜かりがない。用意周到と言えばいいのか、一体どんなことを考えればそんなことする気になれるんだ、と言ったようなことを何度もしてきた過去がある。今回だって何か仕込んでいるに違いない、と烈は口には出さず心の中で思うだけにとどめておく。今ここで問い詰めたとしてもこちらが望むような回答は得られないということを経験で知っているため無理に聞き出すことはしない。

「んじゃ、準備が出来次第世界樹の根元に集合ってことで」

「あいよ」

その後、滞りなく昼食を済ませた烈と桜火は店を出るとすぐに別れ、真っ直ぐ自宅へと帰宅し、シャワーを浴びるなどして身支度を整える。ALOのメンテ終了時刻までまだ余裕があることを確認した桜火はスマホを手に取りある人物たちと連絡を取り合う。
何件か電話をし終えて時計に目をやると、そこに記されていた時刻が三時を五分ほど回っていたので桜火はナーヴギアをかぶりベッドに横になりいつもの言葉を口にする。

「リンクスタート」



「まぁ、これだけあればいいか」

妖精郷に降り立ったソレイユはまずウインドウを開き
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