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乱世の確率事象改変
火燃ゆる都に月は沈む
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 決戦に向かった皆を見送り自分は城壁の上にて戦場の全てを見ていた。
 前日に連合が取ってきた威圧策はまだこれだけの数と戦わなければならないのかという思考に兵達を陥らせ、士気を見る間に挫いて行った。
 まだ兵の準備が完全には出来ていない状態で流されて戦う訳には行かなかったから今日を選んだが、それは失敗だった。
 開幕に袁紹軍を狙ったのは一番脆い部隊だったから。
 本来なら曹操軍を狙いたかったが、ねねから虎牢関での戦いぶりを聞くと狙うに狙えなかった。
 呂布隊という自分が見てきた限りでは最強の軍に押し込まれてはいたがどこか曹操の狙い通りなように感じたらしい。
 そう聞くと飛将軍がいるから問題無い等と早計な判断はできはしない。恋が抑えられたら全てが終わってしまうのだから。
 では劉備軍はどうか、と彼女らに聞いた時、一番に反対したのは恋で、霞も難色を示していた。
 二人に理由を聞くと恋はただ首を振って答えず、霞はあの軍と戦うとその後が厳しいと答えた。
 決戦での不確定要素との衝突はなるべく避けるべき。
「呂布隊なら蹂躙は出来るのですがその後曹操軍と事を構えると負ける可能性が高いのです」
 と言ってねねは最終的に反対した。
 孫策軍は連続して攻めていたが将の層が袁紹軍よりも厚く、連戦しているのに士気が全く衰えず、むしろ高くなっているように見えたので結局狙えず。
 そうなると残されたのは袁紹軍のみだった。
 総大将の軍であるならば少しは動揺を与えられるかもしれないと甘い見通しもしてしまった。
 決戦が開始されてまず予想外だったのは各軍が乱れもなく瞬時に動いた事。
 欲によって足を引っ張り合い、飛将軍の先頭突撃による威嚇で足並みが揃う訳ないと踏んでいたが全くそんなことはなく、全軍の動きは流れるように包囲網を組んで行った。
 広い包囲網は兵達の体力と気力を奪い、中を縦横無尽に駆け回る将達によってじわじわと数を減らされて行った。
 城壁沿いにねねが突破しようと試みるも袁紹軍の兵による肉壁で足が止まり、その後に曹操軍と孫策軍の接近によって潰されてしまった。
 恋はと言うと、将を狙うよう伝えたが完全に逃げの一手を打たれ思うように蹴散らせず、中に侵入を試みようとする部隊を迎撃させるしかなかった。
 飛び出した霞は最初こそ勢いがあったが公孫賛と馬超の騎馬隊の突入で足止めされてしまった。
「くっ、こんなに上手く連携が取れるなんて……」
 連合はただの寄せ集めではなく、統率の取れたひとつの軍に等しくみえる。
 シ水関や虎牢関での押し付け合いを聞いていたから連携などできるモノではないと思い込んでしまった自分の失態。
 兵達は死に物狂いで戦ってくれているが何か他に手を打たなければもう時間の問題になってしまう。
 逸る思考に没頭していると周
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