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You love Rockn Roll
第二章
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第二章

 俺は待った。それからだった。
 あいつが食べ終わって俺のところに来た。俺に寄り添ってきた。
 それを受けてだ。俺はギターを奏でた。それから歌も歌った。
 そしてだ。あいつは俺に身体を寄せてきてだ。そのうえでだ。
 俺の歌を聴いてくれた。じっくりと。
 それが終わった。それからだ。
 ゆっくりと立ち上がってそれからだった。
 俺の方を振り向いてだ。悲しい顔で告げた。
「それじゃあね」
「ああ、じゃあな」
「さようなら」
 俺にだ。この言葉を告げた。
「今まで有り難う」
「ああ、さよならだな」
 俺もだ。あいつに言った。
「楽しかったよ」
「御互いにね。鍵は置いておくから」
「鍵をか」
「そう、鍵をね」
 それをだというのだった。そしてだ。
 あいつは家を出た。俺はソファーに座ったままでだ。ギターを持っていた。
 ギターも手放さなかった。それでもだった。
 そのうえでだ。俺は。
 一人でギターを奏でて歌って。それを続けた。
 一曲歌い終わって。自然に。
 涙が出た。それが止まらなかった。
 その止まらない涙をそのままに。俺はギターを持っていた。
 このギターも。あいつと一緒に選んで買ったやつだった。
 この部屋も。あいつと一緒に仲良く選んだ。それでも。
 俺は何もかも終わって。それで涙を流した。
 それが止まらなくなってだ。その中でまた歌った。
 あいつが好きだった曲を。歌い続けた。それをしていってだ。
 俺は何時しか寝てしまった。疲れきってだ。
 それで目が覚めると。何時の間にか。
 毛布がかけてあった。一人なのに。
 そのことに気付いて俺は。何故かと思った。
 ベッドをどけて。それでだった。
 周りを見回した。それでそこにいたのは。
 あいつだった。あいつがいた。それで俺に言ってきた。
「起きたのね」
「何でここにいるんだ?」
「ちょっとね。忘れ物があったから」
「それでか」
「うん、それでだったけれどね」
 こうだ。俺に対して言ってきた。
「帰ってきたけれど」
「それでか」
「そうしたら寝ていたのよ」
 俺に対してまた述べた。
「それでね。忘れ物だけれど」
「ああ、その忘れ物って何だよ」
 とりあえず毛布を畳んでソファーの横に置いてだ。それから尋ねた。
「何だよ、それは」
「一番好きな歌、聴き忘れていたから」
 それでだというのだった。俺の顔を見ながら。
「それでなのよ」
「その歌か」
「最初は一度だけだったわ」
 歌を聴くのはだ。それだけだというのだった。
「一度だけだったわ。けれど今は」
「違うっていうんだな」
「何度も聴かせてくれるかしら」
 微笑んでだ。俺に対して言ってきた。
「そうしてくれるかしら」

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