第一章
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第一章
You love Rockn Roll
日曜日だ。全てが終わっちまった。
あいつはだ。俺に対して言ってきた。
「これで終わりね」
「ああ」
最後の朝食の後でだ。俺達は言い合った。
「そうだな。終わりだな」
「それでいいのね」
あいつは俺に尋ねてきた。俺のその顔を見ながらだ。
「私が」
「もう決まっただろ?」
俺は不機嫌な目で言い返した。正直今食ってるパンは味がしない。ミルクもだ。まるで砂を噛んでいるみたいな感じだ。まずささえ感じない。
そのパンとミルクを流し込みながら。俺はまた言い返した。
「話し合っただろ、何度も」
「そうだったわね。確かにね」
「じゃあいいだろ」
俺は今度は不機嫌な声で言ってやった。目も声もそうなっていた。
「それでな」
「そうね。それで決まったのよね」
「だろ?じゃあ飯食い終わったらな」
「もう荷物は整えてるから」
あいつは言った。
「食べ終わったら」
「出て行くんだな」
「ええ。決まった通りにね」
話し合いの結果俺が部屋に残ってあいつが出て行くことになった。それで何もかもが決まっていた。
それでだ。俺はまた言った。
「なあ」
「何?」
「最後に聴くか?」
こうだ。俺は言ってやった。
「俺のギター、歌もな」
「そうね。最後はね」
あいつも乗ってくれた。そのことにだ。
そしてだ。そのうえでだった。
俺はだ。食べ終わってからだ。
ギターを取りにだ。一旦自分の部屋に戻った。そこは。
ベッドがある。ずっと俺達が一緒に寝ていたベッドだ。けれどそれは昨日までのことでだ。今日からは俺だけが寝る場所になった。
そのベッドの隅にある赤いギターを手に取ってだ。それからだった。
キッチンに戻った。あいつはまだパンを食っていた。それとハムエッグ、おあいつがいつも作ってくれた、朝の定番だった。
それを食べながらだ。俺を待っていた。そしてだ。
俺が戻ってきたのを見て。俺に顔を向けてこう言ってきた。
「今からね」
「ああ、今からな」
「聴かせてくれるのね」
静かにだ。微笑んで俺に言ってきたのだった。
「そうしてくれるのね」
「最後だけれどな」
俺は自然と寂しい笑顔になった。そのうえでの言葉だった。
「聴いてくれるよな」
「ええ。ただ」
「ただ?」
「食べ終わるまで待って」
そうしてからだというのだった。
「それからね」
「それからか」
「ゆっくりさせて。最後はね」
「そうだな。せめてな」
「ずっと。焦って急いでいてばかりだったけれど」
あいつはこう言ってだ。俯いてだ。寂しい笑顔になって述べた。
そしてだ。また俺に話してきた。
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