第6章:女の決意・男の勘違い
第11話:海鳴りの祠で鎧ゲット……俺としては先を急ぎたいのに!
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こうとしたのだけど、どう聞いて良いのか判らない……
だって……マリーの中に別の人物が居るみたいで、彼女がマリーでないみたい。
ウルフはお父さんもマリーの事を知っているって言ってたけど、そこのところを如何思っているのか……
何か凄く複雑で、私には理解しきれない。
「うん。マリーには前世の記憶がハッキリと残ってるね」
お父さんは一瞬驚いた表情をしたが、ウルフの言ってたマリーの事を認めてきた。
きっとお父さんは、私がマリーに対し不信感を抱いている事に気が付き、驚いた表情をしたのだろう。家族を家族と思えなくなってしまった私の、悲しい心を見透かして……
「リューノは、マリーに生まれる前の記憶が存在したら嫌かい? 前世でマリーとは別の人生を歩んできてたのだとしたら、マリーの事が不気味な存在に感じるのかい?」
「そんな事は……」
『そんな事』と言ったが、本心を言えばその通りなのだ。
あの娘の生きていた前世では、今私達が体験している冒険談が物語として伝わっているらしい……
つまりマリーは、ある程度の情報を最初から維持してた状態で私達の家族として生まれ変わってきたのだ。
ウルフは『前世の情報とは多少の相違があるらしい』と言っていたが、それでも冒険するのに助かる情報を持ち合わせているのは、不自然かつ不気味な事に感じてしまう。
何故あの娘の前世では、この冒険が物語として伝えられてるかも気になるし……
「確かに前世の記憶という不思議な物で、僕達の冒険を判ってしまっているのは不気味だよね」
私は思わず俯いてしまった。
多分顔に出てたんだろう……あの娘の事を不気味な存在だと感じている事が。
お父さんはそれを読み取り、それでも優しく話しかけてくれる。
「でもね……大まかなストーリーしか判ってないんだよ(笑) 偉そうに情報を保持してる様に振る舞ってるけど、マリーは各個人の情報を事前に知ってる訳じゃないんだよ」
どういう意味だろう?
どうして言い切れるのだろう?
「ふふっ……僕がそんな事を言い切れるのが不思議かい?」
また顔に出てたのか!?
私は先程から全然声を発してない……それなのにお父さんとは会話が進んで行く。
「僕にもね……前世の記憶があるんだよ。みんなが知らない歌を歌う時があるだろ。あれは全部前世で覚えた曲なんだよ。だからマリーにも歌える曲があり、あの娘は僕が教える前から歌えるんだよ。でもね……僕とマリーは違った生き方をしてたみたいだから、僕に歌う(演奏する)事が出来、彼女に歌えない曲もある。その逆も然りだ!」
私は唖然とした。
まさかお父さんも前世の記憶を持って生まれていたとは……
「だ、だから……お父さんは凄い
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