第六十二話 十二時の決戦その十二
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「ですから」
「余計なことをしてくれた」
加藤にとってはそうだった、戦いを求める彼にとっては。
「お陰で次だ」
「貴方はどうしてもですね」
「俺の願いは戦うことだ」
まさにそれだというのだ。
「だからだ」
「そうですね」
「俺にとっては本当に余計なことだ」
「貴方は特にです」
加藤、その彼はというのだ。
「止めてみせます」
「迷惑な話だな」
「どうしてそこまで戦われるのでしょうか」
「理由はない」
彼の場合はそうだった、他の剣士達とは違い。
「それはな」
「ないのですか」
「そうだ、ない」
こうマガバーンに返す。
「戦いたいだけだ。戦いが面白いからだ」
「そうしたお考えこそが」
マガバーンはまた告げた。
「戦いを終わらせないのです」
「元々終わらせるつもりもない」
加藤はあくまで自分の考えを言う。
「俺は戦いたいだけだからな」
「貴方が一番難しそうですね」
戦いを終わらせる為の障壁だというのだ。
「しかしそれでもです」
「俺の邪魔をするか」
「貴方からしてみればそうなりますね、ですが」
それでもだというのだ。
「私は貴方もまた止めます」
「剣士の戦い自体をか」
「はい」
その通りだというのだ。
「そうさせてもらいますので」
「言ってくれるな、だがいい」
「今日はですか」
「力が残っていない、剣士の戦いは力があってこそだ」
この場を去る、そうするというのだ。
「他の戦いに向かう」
「やはり戦われるのですか」
「俺は常に戦う」
それこそが喜びだからだ、こう話してだ。
まずは彼が去った、そして。
他の剣士達も去っていく、戦いを欲している者達はそれぞれ彼の顔を一瞥してから去る、その中において。
スペンサーはその彼の顔を見て去る前にこう言った。
「貴方は何の為に戦いを止められますか」
「因果を終わらせる為に」
これがマガバーンの返答だった。
「その為にです」
「戦いを止められますか」
「今回の戦いで完全に」
「因果とは」
「剣士の因果、神話の頃から続く因果」
「神話?」
「月がもたらした因果です」
その因果とはどういったものか、マガバーンはこのことも話したのだ。
「そうしたいのです」
「仰る意味が今はよくわかりません、ですが」
スペンサーはそのマガバーンに対して言った。
「貴方がそうしようとも私はです」
「戦われますか」
「合衆国が永遠に世界の盟主となる」
「貴方は祖国の為に戦われるのですね」
「はい、そうです」
生き残りアメリカの永遠の繁栄と世界の主導を願う為にというのだ。
「私は戦い生き残ります」
「永遠、永遠というものは」
マガバーンはその言葉に虚無的な目を見せた、そのうえで言うこ
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