第四十九話 準備期間の朝その五
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「慣れてるわね」
「いや、鋸はね」
「何処かで使ってたの?」
「うち大工仕事することも多いけれど」
その仕事でだというのだ。
「家族全員でするから」
「それでなの」
「そうなの、鋸だけでなく釘抜きもハンマーもね」
どちらを使うのもだというのだ。
「いけるのよ」
「それにしても手慣れてるわね」
「私犬小屋も作れるから」
大工仕事として、だというのだ。
「それでね」
「慣れてるの」
「これ位は何でもないわ」
「じゃあ今切ってる以外にも?」
「してるわよ」
クラスの作業をだというのだ。
「皆もね」
「そういえばうちのクラスって」
琴乃は今自分がいる廊下と開いた窓から見えるクラスの中を見回した、そして思ったことはというと。
「男の子も女の子も」
「そうでしょ、皆がね」
「大工仕事もしてるし」
「メイクもしてるからね」
「男女で仕事分けてないわね」
「自然とこうなったわ」
クラス全体で男女混ざって作業をしているというのだ。
「本当にね」
「そうね、それじゃあ」
「琴乃ちゃんはどうするの?」
「ハンマーある?」
金槌、それはどうかというのだ。
「あと釘」
「どっちも一杯あるわよ」
「じゃあそっちやらせてもらうわね」
「ハンマーで指打たないでね」
女の子はこのことの念押しをした。
「いいわね」
「それは気をつけるわ」
「怪我するから」
「特に今指を打ったら」
「そっちのバンドに影響出るでしょ」
「ええ、だからね」
自分でもだ、気をつけるというのだ。
「今はね」
「そうよね、だからね」
「うんl、気をつけるわ」
「むしろハンマーよりペンキとか絵の具の方がいいんじゃない?」
この娘は琴乃にこうも言った。
「怪我したら駄目だから」
「そっちに行くべきかしら」
「あっちの仕事の流れ次第だけれど」
忙しければそちらに行くといいというのだ。
「それでもね」
「怪我に気をつけたら」
「そう、そっちの方がいいかもね」
安全な絵の具や筆を使う方がというのである。
「琴乃ちゃんは」
「ううん、そうなのね」
「そう、今はね」
こう話してだ、そしてだ。
琴乃はそのクラスメイトの言う通り今は絵の具を使うことにした、そのクラスの仕事をした。ぞの時に一緒に仕事をしている女子のクラス委員に言われた。
「ねえ、そっちはどうだったの?」
「軽音楽部の方?」
「そう、そっちの作業の方は」
「順調よ」
琴乃は絵の具を使いながら微笑んで言う。
「至ってね」
「そう、だからなのね」
「こっちに来たのよ」
部長に言われたことも話した。
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