第二章
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第二章
これで撃てばどんな奴でもお陀仏だ。それを思うとだ。
テンションが何処までもあがる。俺にとっては最高の気分だった。その気分の中でだ。俺はフレンズに対してだ。また話すのだった。
「じゃあこれ持ってシティを歩くか」
「おっ、ヒットマンになるか?」
「それでターゲットをドカンか」
「ああ、そうして来るぜ」
今度はそんなことを言った。けれどシティに出てみようと思ったのは本当だ。それで気に入らない奴がいればなんて考えていた。後半は勿論ジョークだ。
「それじゃあな」
「ああ、じゃあな」
「ちょっと楽しんで来いよ」
「マイク=ハマーになってきな」
今度は考えるよりまず動いてそれで相手をそのピストルで倒す探偵のつもりになることになった。そんなクレイジーな話をしてだ。
俺はピストルをジャケットの中に入れてシティに出た。いつも歩いている場所なのにピストルを持っているってだけでだ。気持ちが全然違った。
何かが違った。いざとなればピストルを出せる、そう思うとだ。
楽しくて仕方がない。何時でも撃てると思えばそれだけでだ。もう最高の気分だった。
俺の両肩でデビルとエンジェルが話し合っているようにも思えた。このピストルを持っていっちょどっかのストアで強盗でもしようか。そんなことも考えた。勿論本気じゃない。
他の圧も持っててそれで隙を見せたら撃たれる、そんなことも考えたりもした。
あれこれ考えてるとだ。急にだ。
俺の横をパトカーが横切った。それも何台もだ。
そのパトカーの一団が銀行の前で停まった。そしてすぐにだ。
ポリスが十人単位で展開してだ。銀行に立てこもる強盗の連中と派手な銃撃戦をおっぱじめた。随分な展開だった。
何かだ。ポリスの連中がだ。こんな話をしていた。
「おい、ピストルじゃ足りないぞ」
「おっつかないぞ」
「あれ持ってるか?」
「ああ、持って来た」
こう怒鳴りながら言ってだ。それでだった。
パトカーの一台からだ。ショットガンにだ。
マシンガンまで出してきた。それでだ。
銀行に立てこもる強盗の連中を攻撃しだした。中に人質がいるかどうかなんて全く考えずにだ。中に向けて派手に撃ちだした。
事件はこれで解決した。流石にショットガンやマシンガンに立ち向かうには装甲車でもないと無理だ。そんな無茶な風景を見てから。
俺はジャケットの上からピストルを摩った。それでこう呟いた。
「おもちゃなんだな」
そんな派手な銃撃戦を見た後じゃ。そう思えた。
それまで手に入れて最高の気分になっていたピストルもだ。所詮そんなものだった。
本当におもちゃだ。ガキのおもちゃだ。それがわかった。
それで俺は踵を返して家に帰った。そうした。
これが俺がピストルを手に入れた時の話だ。
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