第二章
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彼に返した。
「気にしないでいいから」
「そうか。まあそういうことらしいんだよ」
「わかったよ」
だから理由を言わなかったことがわかった。そのことが。
そしてそれを聞いてだ。僕は。
またあの砂浜に来た。相変わらず白くて青の中にある。
その砂浜に来て。僕はこう呟いた。
「そんな理由だったら。言ってくれたらよかったのに」
僕が嫌いになって別れたんじゃないことはわかって嬉しかった。けれど別れたことそのこと自体にだ。僕は悲しみを覚えて仕方なかった。
そうして一人砂浜にいてあの頃のことを思い出して。ただただそこにいた。彼女との幸せが残っているこの砂浜に。僕だけがいて。
サマーガーデン 完
2011・5・4
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