第二十話
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獅子よ、汝に嘆きと怒りの言霊を託す。神の子と聖霊の慟哭を宿し、聖なる末期の血を浴びて、ロンギヌスの聖槍を顕しめよ!聖ゲオルギウス!御身の御名にかけて、今こそ我は竜を討たん!」
そして、クオレ・ディ・レオーネは長さ二メートルほどの槍に変わる。
言霊からして、ロンギヌスと同じようなものか・・・
「紅き十字の楔よ、竜鱗を裂き、臓腑を抉れ。殉教の騎士よ、願わくば御身の武勲を我にも分かち与え給え!」
そして、こちらに投げてきた。
さて、あれはさすがに喰らうわけには行かないし・・・
「護堂!速く逃げなさい!」
「ふざけんな!エリカを措いて逃げれるわけねえだろ!」
かっこいいねぇ、護堂。
まあ、まずはこっちだよな。
「真なるロンギヌスよ、偽りのロンギヌスを砕き、汝の存在を顕しめよ!汝は二振りと存在せず、唯一無二のものなり!」
そして、俺はロンギヌスを『召喚』し、エリカの投げた槍にぶつける。
結果、エリカの槍は砕け、二人の足元にロンギヌスは着弾、二人は吹っ飛んだ。
「ぐ・・・エリ」
「それ以上喋るな、動くな」
護堂はすぐに立ち上がろうとするが、俺が槍の先端をのどに突きつけたことでその動きを止めた。
「護堂!」
「エリかも、それ以上動くなよ。今から始まるのは、王と王の交渉だ」
念のためエリカに釘を刺し、俺は護堂との話を再開する。
「さて護堂、交渉をしないか?お前が一つ誓ってくれれば、二人とも殺さない。ただし、誓わないのなら二人とも殺す」
「誓っては駄目よ、護堂。同等の存在との間に何か契約すれば、どんなことになるか分からない!」
「ってエリカは言ってるけど、選択肢がないことくらいは分かるよな?」
「・・・ああ」
護堂は、重々しくそう答えた。
「じゃあ、この槍の穂先に誓え。俺の家族に手を出さない、と」
「・・・分かった。誓おう」
エリカが何か言っているが、そんなことは気にせずに契約はなされる。
穂先から小さな光の球が現れ、護堂の口の中に入っていく。
「ふう・・・契約完了。約束どおり、開放しよう」
「・・・やけにあっさりと開放するんだな?」
「まあ、もとから殺す気はないしな。この契約さえ出来れば、それでよかったし」
「だったら、最初からそういえよ・・・」
「エリカが邪魔してくるのは目に見えてたからな」
まあ、エリカさえいなければ戦わなくてもよかったのだが、いた以上は仕方ない。
誓わざるを得ない状況を作るしかなかったのだ。
「・・・武双、先ほどの誓いで護堂はどんな影響を受けるのかしら?」
「まあ、そこまで複雑ではないよ。正当防衛でもないのに俺以外の家族に殺意を持ってかかれば、誓いを破ったことになり護堂は死ぬ」
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