第二十話
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「ウルスラグナの第五の化身、猪の化身は、ビシュヌの第三の化身と同じものだ。荒々しく破壊する猪とその牙で大地を支えて沈まないようにする猪との違いはあるが、同じ猪であることに変わりはない!」
俺は黄金の剣を放ち、猪の化身を切り刻む。
あれがウルスラグナの権能で召喚したものである以上、これの前には何の意味もなさない。
「そうしてみれば、確かにこの二柱の神の化身には共通するものが見られる。ウルスラグナの白馬、戦士はビシュヌのカルキに」
カルキとは、悪を滅ぼすために現れる、白馬に乗って剣を抜刀した戦士だ。
「民の心を束ねる山羊は、宗教を作ることによって民の心をまとめるゴータマ・ブッダに。人々に助言をする少年は、洪水の際に人々を救う助言をし、自分に乗せることで救ったマツヤに。他の化身もこのように対応する。これは偶然ではなく、必然による一致だ。なぜなら、ゾロアスター教が出来たのはインド周辺、ゾロアスター教自体がインド神話の影響を多分に受けているのだから!」
そして、護堂は使える化身のうち、この場で使える最後の化身を使ってきた。
雄牛を使っても俺に届かないのだから、残るのは一つ。白馬だけだ。
「我がもとに来たれ、勝利のために。不死の太陽よ、輝ける駿馬を遣わしたまえ!」
護堂の言霊で、天から炎の白馬が俺に向かって進んでくる。
「こうして出来たのが、ウルスラグナという女神だ!勝利と英雄、女神という三つの属性が同時に存在するゾロアスターの英雄神!」
そして、残弾の全てを使うくらいの勢いで白馬に黄金の剣を放ち、自分は護堂に向かって走る。
「速い・・・避けれ」
「オマエは、そんな神を殺したんだ!」
そして、自分の手にある黄金の剣で護堂を・・・護堂の持つ、ウルスラグナの権能を切り裂き、完全に戦士の権能を使い切った。
◇◆◇◆◇
「あー・・・頭痛い・・・」
使い切ると同時に、俺は激しい頭痛に見舞われた。
プロメテウスの権能は面倒な条件が多い上に、使いきった後に激しい頭痛に見舞われる。
まあ、自分のでもない権能を無理矢理に使うのだから仕方ないとは思うが・・・正直、勘弁して欲しい。
ただでさえ相手の権能を十二分に喰らうのだから、その時点で死に掛けているときもあるというのに・・・
「希望的観測のもと聞くけど・・・護堂。権能は感じられるかしら?」
「駄目だ・・・全然感じられない!」
さて、戦士の権能はしっかりと働いてくれたようだし、再開しますか。
「護堂!彼は私が抑えるから、その隙に逃げて!」
エリカはそう言って、クオレ・ディ・レオーネを構えた。
王のために王に立ち向かうか・・・すばらしい騎士道精神だこと。
「鋼の
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