第十二話 大地を味方に
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ボワワワワワァン。
白い煙が俺の体を包み込み、俺はまた『子』の姿になった。キャシーはすぐにはへの字型の刃物を投げなかった。俺の体も、なかなか戻る気がしない。そして、
キャ「はぁぁぁっ!!」
タイミングを見計らったのか、キャシーが勢いよくへの字型の刃物を投げつけた。それと同時に、俺は小さな手足を動かしてキャシーに向かって走り出した。
キャ「えっ?」
思ってもいなかった事に、キャシーは目を見開く。走っている俺の頭上をへの字型の刃物が通り過ぎる。そして、キャシーの目の前に来た俺はキャシーには負けるけど高く飛び跳ねた。それと同時に、
ボワワワワワァン。
白い煙が俺の体を包み込み、俺は人間の姿に戻った。もし、あそこで俺が走り出していなかったら、俺の体は今頃真っ二つになっていたと思う。そして、俺は水を纏った右手の拳を高く上げた。右腕にはずっと付けてあった青い腕輪が着いている。俺は目を見開いているキャシーの右頬目掛けて拳を振りかざした。
シ「おらぁぁぁっ!!」
キャ「ひゃあああああっ!!!」
避ける事が出来なかったキャシーは吹っ飛んで行った。キャシーが吹っ飛んで行ったのと同時に、俺の目の前をへの字型の刃物が通り過ぎ、キャシーの手元に戻る事無く、宙高く舞い、ガッ!と鈍い音を立てて木の幹に突き刺さった。
キャ「痛たたたたた・・・」
痛そうに右頬を押さえながらキャシーが起き上がる。
シ「さすがに跳躍力がすごくても、あの高さまでは届かねぇだろ。」
への字型の刃物は十m以上もある木の幹に突き刺さっている。
キャ「なかなかやるじゃないっ!!」
シ「ぐぉっ!!」
キャシーは立ち上がると、俺の右頬を殴った。エルザ並みの威力だ。俺は避ける事が出来ずに、そのまま吹っ飛ぶ。倒れるがすぐさま起き上がってもう一度殴ろうとしようとしたが、俺の目の前にはキャシーの姿は無かった。
シ「隠れたのか?」
辺りを見回してみるが、キャシーの姿はもちろん、気配まで感じない。こうゆう時は・・・!俺は母さんの言葉を思い出していた。
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六歳の頃、俺は母さんに連れられてリンドウ村のナズナ山に登った。ここで父さんが死んだんだ。この時も俺が一度も会った事が無い父さんの墓参りに行く為だ。でも、父さんの墓がある場所は山の奥深くで、行くのに一時間は掛かる。二十分くらい山を登ったところで、
母『シン、ここで休憩しようか。』
幼シ『うん!』
俺は近くにあった石の上に腰を下ろした。
母『さてシン、突然だけど
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