紅蓮金色、竜が舞う
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クリマ)の間をジェラールが飛び、それをナツとティアが追う。
「そうさ・・・ゼレフは俺にしか感じる事が出来ない!」
懲罰房で痛みと恐怖だけを感じたジェラールに悪魔の囁きをしてきたゼレフの亡霊。
それを感じられるのは、この場でも世界中でも、ジェラールだけだろう。
「俺は選ばれし者だ!俺がゼレフと共に真の自由国家をつくるのだ!」
ジェラールの叫びに、魔水晶によじ登っていたナツと、水の翼で飛んでいるティアが叫ぶ。
「それは人の自由を奪ってつくるものなのかァァーーーーーっ!!!!」
「アンタのような愚者がつくる国家を自由国家とは言わない!いいえ・・・人の自由を奪ってつくった国家なんて、最初っから自由じゃないのよ!!!!」
その2人の叫びに、ジェラールは腕を動かしながら返した。
「世界を変えようとする意志だけが、歴史を動かす事が出来る。貴様等には何故それが解らんのだァ!!!!」
その瞬間、巨大な魔法陣がジェラールの前に展開した。
「煉獄破砕!?塔ごと消滅させるつもりか!」
その魔法陣は禁忌魔法の1つ、煉獄破砕。
以前、幽鬼の支配者が使おうとした魔法だ。
「また8年・・・いや、今度は5年で完成させてみせる・・・ゼレフ・・・待っていろ」
そう呟き、ジェラールが魔法を放とうとした瞬間―――
「そんな事・・・させる訳ないでしょ!!」
タン、と。
軽いリズムで魔水晶を踏みしめ、水の翼を生やしたまま、ティアはジェラールとある程度の距離をとった、ジェラールの丁度向かいで停止する。
「ティア!?何を・・・!」
普段の彼女なら絶対にしない行動に、エルザは驚愕する。
そしてティアは、指を―――――――――
――――――鳴らさなかった。
だから、『青』の魔法陣は展開しない。
代わりに、『紺』の魔法陣が展開した。
普段ならティアの上か手の辺りに現れる魔法陣は―――――
ティアの『顔』の前に、現れた。
「大海!?いや・・・違う!あれは・・・まさか・・・!!」
その魔法陣を見たエルザは更に驚愕する。
ティアは――――――――その頬を、大きく膨らませた。
そして、放つ。
「星竜の――――――――咆哮ォォォオオオッ!!!!」
使えないはずの、滅竜魔法を。
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