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鉄槌と清風
17部分:16:リヒトヴェッテル・ベシュテンバーグ
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れているだろう、時間がない、私の意識ももう直ぐ消える、そうすれば近くにいる皆を攻撃し始める』

 『…同盟国もしくは近隣の中立国へむけ、転送準備、急げ』

 声に反応し、幾人もの騎士が魔力を集め出す。

 『夜天の書が何処に行くかはわからないのか?』

 『転生先はランダムに決められる、実際守護騎士か書本体を見なければわからないだろう』

 『そうか…ならば近くの国々に書の危険性を話しておかなければならないな…ヴィータ…いや、守護騎士達は、どうなる?』

 『次の主の下で再生されるだろう、今代の記憶は無いが…記憶を受け継ぐのは私だけだからな』

 『判った…準備できたものから転送せよ、私も直ぐ向かう』

 自らの下に青い三角の魔法陣が浮かび上がる。

 『では、な…名も無き友よ』

 『あぁ…元気で、リト』

 別れを告げた瞬間、空間が振動し始める、防衛プログラムの暴走が次元震を引き起こしたのだ。
 そんななか、リトと呼ばれた少年は姿を消す。




 気がつけば、何処かの森の中だった…里と思われる場所に近づくと、恐れられ武器を持って追われた。
 次元震は彼が目標としていた同盟国への転移に干渉、全く知らない場所へと彼は転送されていた。
 言葉も通じず…夢の中の記憶だからか、良彦には言葉が日本語と判ったが…人里に近づけば追い立てられる。
 リトは青い髪に黒と緑のオッドアイだった、昔の人には同じ人間とは思えなかったのかもしれない。

 いつしか、森の中を彷徨い、等々倒れた…次に目が覚めた時は、知らない場所、知らない人が近くに居て、どうやら助けられたらしい事が判った。
 助けられ、生活をするうちに、言葉を教えられ、其処が山の中にある隠れ里だとしった。
 人の中で生きられなかった…外見や、性格などの為に…者達が集いいつの間にかできた里らしい。

 リトもそこで生活し、地を耕し、人と触れ合った…その中で一人の女性と出会い、子を儲け、自らの業を教えた…魔法は使えなかったが、武術としても十分のものだった。
 そして、彼らの中で面白い考えと出会う。

 【風は過去から未来まで常に流れ、人は死して風の中に魂をとかし、この世界を流転する、何時しか風は又一つになり、魂に新たな命を与える、風には今までの全てとこれからの全てが流れている】

 輪廻転生をそんな風に捕らえる考え方…リトはそれを聞き、一つの魔法を思いつく…風に溶けた記憶を集める魔法…死の間際ゼピュロスを封印するとともに、その魔法を自らかけ、ゼピュロスへと記憶を集めさせる事にした。




 『今、これを見ているのならそれは成功したのだろうと思う…私はベシュテンバーグ公国第3王子…清風の騎士リヒトヴェッテル・ベシュテンバーグ…親し
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