第9話
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の服の方が可愛いから女装しているんだ」
僕がサジくんにそう言うと、心底落胆した様子だ。
「マジかよ。そりゃ詐欺だ。初めて、兵藤弟を見た時と一緒だ・・・・・・。女装って誰かに見せるためにするもだろ?それで引きこもりって、矛盾してるぞ・・・・・・」
「そうだな。意味の分からん女装癖だ。似合っているのが何とも言えないしな。ところで、お前は何してるんだ?」
兄さんが匙くんに質問した。匙くんは今ジャージを着ている。手には軍手をしてスコップを持っていた。
「見ての通り、花壇の世話だよ。一週間前から会長の命令でな。ここ最近学園の行事が多かっただろ? それに今度魔王様たちもここにいらっしゃる。学園を綺麗に見せるのは生徒会の俺の仕事だ」
胸を張って堂々としているけど、それって雑用なんじゃないかな?
「ん?」
「どうかしたのか?」
「誰かくる」
僕は気配を感じて、そちらの方を見る。しばらくすると、浴衣を着た男がやってきた。
「へぇ。お前らはここに集まってお遊戯をしているわけか」
「アザゼル・・・・・・」
「よー、赤龍帝。あの夜以来だな」
兄さんがそう言うと、この場の全員が戦闘態勢に移った。ゼノヴィアはデュランダルをアザゼルに向け、兄さんはアーシアさんを守るように前に出て、赤龍帝の籠手を発動させる。僕も白銀魔術礼装を発動して、黄金色の聖約を構える。匙くんも自身の神器を発動させていた。
「ひょ、兵藤! アザゼルって!」
「マジだよ、匙。俺はこいつと何度か接触しているんだ」
匙くんの問いに兄さんは答える。当のアザゼルはそんな僕たちを見て苦笑いをしていた。それを見て、僕は白銀魔術礼装を解除して、黄金色の聖約を消す。
「おい! 渚!?」
兄さんが驚愕の目で見てくるので、説明することにした。
「兄さん冷静に考えるんだ。三すくみの会談の前で事を起こしたら、どんなことになるかは目に見えてる。それに、僕たちが束になっても勝てる相手じゃないよ」
『有限殺しの無限廻廊』が使える状態なら話は別だろうが。
「そいつの言うとおりだ。まあ、ちょっくら聖魔剣を見に来たんだが・・・・・・ちょうどいないみたいだな」
僕がそう言うと、みんなは構えをといた。ギャスパーくんは気に隠れたままだけど。
「ああ、そうだ。そこに隠れているハーフヴァンパイア」
アザゼルは急にギャスパーくんの方を見る。
「『停止世界の邪眼』の持ち主なんだろ? そいつは使いこ
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