第9話
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くん、そろそろお外になれないとダメですよ?」
朱乃さんが段ボールの中にいるギャスパーに話しかける。
「朱乃お姉様ぁぁぁぁぁ! そんなこと言わないで下さいぃぃぃぃ!」
「あらあら。困ったわね。ナギくん、イッセーくん、お願いね」
「了解です」
「任せてください!」
まあ、頼まれたんだから精一杯やってやるさ。
「では、こいつを鍛えよう。軟弱な男はダメだぞ。それに私は小さい頃から吸血鬼と相対してきた。扱いは任せてほしいね」
ゼノヴィアはそう言うと、段ボールに括りつけてある紐を引っ張り出す。キミはギャスパーを滅する気なのかい?
「ヒィィィィィィッ! せ、せ、せ、聖剣デュランダルの使い手だなんて嫌ですぅぅぅぅ! ほ、滅ぼされるぅぅぅぅ!」
「悲鳴をあげるな、ヴァンパイア。十字架と聖水、さらにニンニクもつけるぞ?」
「ヒィィィィィ! ガーリックらめぇぇぇぇぇぇぇ!」
マジで滅ぼす気じゃないよね? 俺はそう本気で思ってしまった。
Side out
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Side 渚
「ほら、走れ。デイウォーカーなら日中でも走れるはずだ」
「ヒィィィィィッ! デュランダルを振り回しながら追いかけてこないでぇぇぇぇぇ!」
夕暮れの時間帯に吸血鬼が聖剣使いに追いかけられていた。なんでも、「健全な精神は肉体から」らしく、ゼノヴィアはギャスパーの体力から鍛えることにしたらしい。はたから見たら、ただの吸血鬼狩りだけど・・・・・・。
「私と同じ『僧侶』さんにお会いできたのに、目も合わせてもらえませんでした・・・・・・。グスッ」
涙目のアーシアさんは兄さんに任せるとして、僕はゼノヴィアとギャスパーくんを見守ろう。あれ? そう言えば小猫ちゃんはどこに行ったんだろう?
「・・・・・・ギャーくん、ニンニク食べれば健康になれる」
「いやぁぁぁぁぁん! 小猫ちゃんが僕をいじめるぅぅぅぅ!」
ああ、そんなところにいたのか。それにしても小猫ちゃんは楽しそうだね。
「おーおー、やってるやってる」
「おっ、匙か」
生徒会の匙くんが現れた。
「解禁された引きこもりの眷属がいるとか聞いたから見に来たぜ」
「それならあそこだ。ゼノヴィアに追いかけられているぞ」
兄さんはギャスパーくんたちのいる方を指さす。
「おいおい、ゼノヴィア嬢、伝説の聖剣豪快に振り回してるぞ? いいのか、あれ。おっ! てか、女の子か! しかも金髪!」
うれしそうな匙くん。まあ、彼も僕と同じで男には見えないからね。
「残念だけど、あの子は男だよ。女の子
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