第二章
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第二章
「俺達は好きな相手、大切な相手を裏切っちまう」
「そうしてよね」
「向こうも傷ついて俺達もな」
「傷つくわよね」
「俺はいいんだよ」
本当にだ。俺はどうでもよかった。
けれどこいつが傷つくと思うとだ。それはどうしてもだった。そのことをだ。こいつ本人に対してだ。言葉に出してそれで伝えた。
「けれど御前がそうなるのはな」
「私もよ。あんたが傷つくのはな」
「そうだよな。じゃあやっぱりな」
「忘れよう」
こいつから言ってきた結論だった。
「なかったことにして。ずっとね」
「それしかないか」
「ほら、あいつ学校卒業したらね」
「街を出るんだったな」
「そう。他の街で働くから」
それでだった。俺達は。
「私もあいつについていくから」
「じゃあその時にな」
「御別れだからね」
「そうだな。俺はあいつとこの街に残る」
俺の彼女と。俺はこの街に卒業してからも残る。それならだった。
「それで終わりだからな」
「だから今は」
「今も別れような」
俺達の考えは。ここでも同じだった。
「何もしたらいけないんだよ」
「そうよね。少しでも何かしたら」
「御互いに終わりだからな」
俺達にしてもずっと仲良くやってきた。性別は違っても親友同士だった。けれどその親友同士の関係が壊れちまうから。俺達は今もだった。
何もしないことにした。御互いに触れない。そのことを決めてだった。
またあいつから言ってきた。こう。
「じゃあ。部屋に戻るから」
「あいつ寝てるのか?」
「うん、寝てるわ」
こうだ。俺に答えた。
「あの娘よね」
「ああ、寝てるさ」
だから出て来た。それでここで俺達だけで話してるという訳だ。
「だから余計にな」
「そうね。もうね」
「俺は忘れる」
まずは俺から話した。
「御前もそうするよな」
「勿論よ」
答えは決まっていた。もうだった。
そうしてだった。俺達はそれぞれの部屋に戻った。ホテルの部屋に入ると彼女が寝ていた。ベッドの中でぐっすりとだった。
それを見て俺もだ。ベッドの中に入った。それで終わらせた。
そしてそれから暫くの間俺達は何もなく過ごした。彼女も親友も勿論あいつも。何もなく何もなかったのと同じ様に。そうやって過ごした。
卒業してからだ。親友とあいつは街を出た。俺は彼女と二人で駅に見送りに行った。その駅に向かう時に彼女が俺に言ってきた。
「ねえ」
「ああ、これで最後だよな」
「そうね。もう会えないのかな」
彼女は俯いた顔で俺に言ってきた。駅への道を二人で歩きながら。
「二人には。あの娘に」
「そうかもな」
行く場所はこの街からあまりにも遠かった。そうおいそれとは帰られない場所だ。しかもだ。それに加えてだった。
「
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