黒麒麟動く
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に当たれ!」
纏まれば多くがあの化け物の餌食となってしまう。
今回は決戦なのだから広く、大きく戦うべきだ。
「祭、呂布隊にも気を付けましょう。あの隊も異常よ。下手すれば取り返しがつかなくなるわ」
「む、確かにそうじゃな」
陳宮が後陣で指揮しているこの隊は恐ろしいほどの突撃力を持っている。
虎牢関では曹操軍が手を焼いたらしいから気を引き締めなければ呑まれるだろう。
「呂布はどうする?」
「まだ近づいてはダメよ。曹操軍と公孫賛軍と劉備軍の将を待ちましょう。卑怯だけどあれだけは数がいないとどうしようもないわ」
あの夜に四対一でも防戦のみだったのだから無茶させられるわけが無い。将の死亡は軍の多大なる損害になるのだから。
「御意」
祭も兵の被害が増える事に少し苦い顔をしているがそのくらいの事はわかっているので何も言わず従ってくれる。
しかし董卓軍は素直に決戦をしてきたが何も策がないのだろうか。
力押しだけではもはやどうしようもないはずなのに。
死兵となって戦った所で、本当に甘く見積もっても、五分五分と言える。
陳宮の恐ろしい火計がまだ記憶に新しいからか少し警戒してしまう。
早計な判断は軍を滅ぼすが……
「祭、左右に分かれて呂布隊と戦いましょう。他の将が来る前に呂布が来たら逃げてね」
「なんじゃ、結局わしらも動くのか?」
「ええ、今の内に呂布隊の数を少しでも減らしたい。もう少し広がりつつ戦って敵をおびき出しましょう」
何か洛陽で起きそうな気がする。
城門までの道を作っておいたほうがいい。
勘に丸投げするわけではないが軽くでも手は打っておくべきだろう。
†
城門が開いてから各軍の迅速な対応によって連合の董卓軍包囲網は広大になり、今は内側にてそこかしこで衝突がある。
飛将軍は包囲網を抜ける事もせず何かを守るようにただ内側に攻めて来る兵を蹂躙している。
余りに簡単すぎないか。それほどまでに彼らの思考は固まってしまっているのか。
愛紗さんと鈴々ちゃんには星さんが到着次第、呂布隊への攻撃をお願いした。
総大将に対しての飛将軍部隊による劉備軍突破を警戒していたがそれも無いのだからここは包囲網を狭める事が定石。
「朱里」
「ひゃい!」
いきなり後ろから声を掛けられて変な声が出てしまった。
振り向くと秋斗さんが苦笑を噛みしめてこちらを見ていた。隣には雛里ちゃんもいたが何故か暗い表情で俯いている。
「……朱里に聞きたい。もし董卓が逃げるとしたらどうやって逃げる?」
尋ねられた質問はこの戦の戦況が確定してからの事。董卓軍の戦況は覆しようがないとは言えないがそれでも現状のままでは時間と共に勝ちの目が全て無くなるのが目に見えている。
「……飛将軍か張遼隊による
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