洛陽にて
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連合は公孫軍と馬超軍の追撃の報告を待ちながら虎牢関にて一時の休息を取り、両軍が戻って来てから洛陽への行軍を始めた。
追撃を行った結果は騎馬主体の両軍の働きによりきっと大きなモノになるだろうと予測されていたが、これまで涼州を五胡による侵略から守ってきた董卓軍本隊の救援もあってかあまり芳しくなかったらしく、白蓮は悔しそうに語っていたとの事。
しばらくして洛陽に着いた俺達はそれぞれの軍が代わる代わるに攻城戦を行っている。
難航する城攻めに諸侯達は各軍で毎日のように軍議を行っていた。
「ただいまー」
今日は諸侯による全体軍議が開かれていたが帰ってきた桃香と朱里の表情はあまり優れなかった。
「おかえりなさい桃香様、朱里。内容は……変わらずですか」
「うん。連合全体の糧食の不安もあるしどうにか早く終わらせたいんだけど難しいね」
虎牢関での大打撃と早期の突破によって少しは浮いているがこのままだらだらと続けても兵の士気に関わる。呂布や張遼による奇襲やらを見せられてきたため夜でも緊張感が解けないというのも大きな原因の一つと考えられる。
「毎日の攻めとは言ってもそれぞれの軍によって攻撃の激しさに差がありますから。それに本拠地により後がないので相手も必死ですし」
「兵達の士気もそろそろ落ち始めてくる頃かと」
「うーん。やっぱり夜ぐっすり眠れないのは辛いよね」
日々の不満を漏らした桃香の発言に一つ面白い考えが浮かんだ。
……ああそうか。俺達だけ眠いのは不公平だな。
「桃香、お前すごいな」
「ふぇ? 私なんかすごい事言った?」
ほわーんとしながら首を傾げ聞き返す桃香。彼女の発言によって打開策が思い浮かんだだけなので桃香からすれば何が凄いのかは分からなくて当たり前だろう。
「お兄ちゃんはねぼすけなお姉ちゃんに呆れてるのだ」
楽しそうな鈴々の言葉で皆が少し緩やかな雰囲気になった。まあ確かにそれもあるかもしれない。
「クク、違うよ鈴々。桃香の言葉のおかげでいい事を思いついたんだ」
そう言うと不思議そうに全員が俺を見る。
「敵からの夜襲に警戒してこっちは夜も満足にゆっくり眠れない。なら同じ事仕返ししたらいいんじゃないか?」
「しかし夜の攻城戦はこちらが圧倒的に不利では――――」
「いいや、夜だけじゃないさ。一日全部を連合で分けて攻めきるんだ」
「「あっ」」
愛紗が戦において当然の事を聞き返すが言葉が足りなかった事を思い至って続きを紡ぐと天才軍師の二人は気付いたようだった。他の三人はまだ気付かずに首を傾げている。
「二人は気付いたか。軍それぞれで攻める時間帯を決めて一日中間断なく攻城戦を行えばいい。根競べになるが連合のほうには優秀な将が揃っているし数でもまだ勝っている。なら今の内にしてみたらいいと思
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