洛陽にて
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は待ってくれないわよ徐晃。まあそれはあなたもわかっているのでしょうね。
†
「……眠い」
連合の攻城戦はある日を境に嫌らしくなった。
日中日夜攻められ続けこちらは落ち着いて眠る事ができない。
虎牢関から早期撤退してきた時壊れそうだった恋も月に会って落ち着いた様子だったがさすがに睡眠を邪魔されて苛立っている。というか既に座りながら寝ている。
しかし連合がここまで効果的な策を取ってくるとは思わなかった。
「毎日毎日、朝も昼も夜も攻められたらたまらんなぁ。根競べなんはわかっとるけど……うちらへの仕返しなんやろなぁ、ねね」
「なのです。多分霞の奇襲と虎牢関での夜襲で相手も警戒して眠れてなかったのですよ」
「倍返しされてるみたいだけどね」
「このままやとまずいで。兵の士気もすぐ下がってまう」
霞の発言は尤もと言える。確かにもう既にそこかしこで下がり始めているのだから。
「……士気が下がりきる前に決戦するしかない、か」
「ここで座しているよりも死中に活路を見出すほうがいいのですよ」
長く戦っていると洛陽の民達からの不満も大きくなる。それならば力の残っている内に短期決戦したほうがいい。
でもこの状況……厳しすぎる。負けてしまったら月は……
「ところで月はどうしたん?」
「体調を崩して奥で寝てるわ。最近満足に眠れてなかったから」
月に手を出そうとしていた奴らは霞が処理してくれたが慣れない長い戦と皆への心配と華雄の事が絡んで大分と参ってしまっている。
「そうか……。なぁ詠。ちょっと話があるんやけど。戦の事やないで」
「どうしたの?」
霞にしては珍しい。戦のことじゃない話ってなんだろうか。
「月、なんやけどな。あんた十常侍に対しての報告したとき言うてたよな。月みたいな優しい子をこんなことに巻き込ませてしもてって」
確かに言った。罪悪感と自分の不甲斐無さから零してしまった言葉。
「ねねと恋殿と霞で話し合ったのですが月はこんな所で死んではいけないのですよ」
「まだ負けると決まったわけじゃ――――」
「詠、あんたは頭がええ。この状況がどんだけ厳しいかわかっとるやろ? もしもの場合も考えとかなあかん」
霞からの言葉とその圧力に先の言葉が紡げず黙ってしまう。この三人がしようとしている事も読めてしまった。
「うちらは戦場で死ぬ覚悟なんざとっくに出来とる。ただな、月はあかん。うちらはあの子に助けられた。あの子の事が皆好きなんや。やからせめてあの子の命だけはどうか助けてやってくれへんか?」
「そんな……でも、あんたたちまで死んだらこの子は――――」
「何を言っているのですか。例え負けそうになったとてねね達も簡単には死んでやらないのですよ。それにその時は月の安全が確保できたのならねね達も再起を図るために逃
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