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錆びた蒼い機械甲冑
Z:打開策と決着
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来る騎士の攻撃を身を捻ってギリギリ避ける。
 劣勢に変わりないものの、これまでで一番喰らいつけていた。
 左右に居るアスナとエギルに投げナイフを投擲しない所を見ると、やはりキリトの考えは正しかったようだ。


「う…らあぁっ!!」


 通常攻撃とは思えない程の力強さと速さをもって、キリトは三度騎士に斬りつける。次いで来た騎士の反撃の拳が今までよりも早く、交わしきれずに軽く当たって勢いで回転しそうになるのを、キリトは踏ん張らずに勢いを逆に利用し、少し飛んでアクロバットの様に下がることで何とか流す。
 攻撃より回避に専念する戦闘は続き、高威力な反撃の押収を耐えに耐えたキリト達に、遂に反撃のチャンスが訪れる。

 騎士はキリトの攻撃に合わせて拳を繰り出し、間髪いれずに次の攻撃を撃ち込もうとする。しかし、外から何度も攻撃を見ていれば、自ずと攻撃パターンが分かってくるのは必然であり、アスナがそれを見極められない筈が無かった。

 裏剣の後に剣に付いた盾でのストレートを繰り出す騎士へ――――遂にアスナが動き出し、そのストレートを繰り出す左手に向かって細剣ソードスキル《リニアー》を、今までで一番の最高速度で突きいれる。


「やああぁあっ!!」
「オォ……!」


 鈍い金属音と空気が震えた音が響き、機械騎士の剣が手から飛ぶ。此処で初めて騎士が驚愕した様な声を出した。キリトはその声を上げた騎士に一瞬にやりと笑い、すぐさま構えなおす。


「おらあ!!!」
「オオォ……!!」


 その騎士の腕が上がり大きな隙が出来たのを見計らって、エギルが渾身の力で両手斧ソードスキル《ワールウィンド》を叩き込んだ。初のプレイヤーからの攻撃と反撃に、騎士の体勢が崩れる。


 それを―――キリトは見逃さなかった。遂に攻撃を入れられたうえに、体勢が崩れた隙を逃すものかと、彼はソードスキルのプレモーションを取る。機械騎士はそれを止めようとするが、崩れたままの体勢では碌に動けず、加えてアスナからの通常攻撃で若干ながら押され、キリトへと手を伸ばせない。


「うおおぉらあっ!!!」


 片手剣ソードスキルニ連撃《バーチカル・アーク》が騎士の体を完璧に捕らえ、その軌跡がV字を描いた。そして右側からもう一発駄目押しだと言わんばかりに、エギルが再び《ワールウィンド》を、アスナが細剣ソードスキルニ連撃《パラレル・スティング》を打ち込んで更に押しこんでゆく。


「オオォッ…!!」


 唸る騎士が、ふと気付いた様に視線を下すと……そこには何時の間にか、構えを取ったキリトの姿があった。


「う……おおおおおお!!」



 全身全霊を込めた、片手剣ソードスキル三連撃《シャープネイル》……その獣の爪後の如き
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