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PM9:00のシンデレラ
第二章

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第二章

「頂くわ」
「それでね。これ飲んだらさ」
「飲んだら?」
「踊ろう。一緒に」
「ダンスを」
「そうそう。パーティーはこれからだからさ」
 だから。俺は彼女にこう言った。
「一緒に楽しもうよ」
「ええと、それは」
「細かいことは言わずにさ」
 あえて言わせなかった。そこから先は。
「これ飲んだら踊ろう」
「九時だけれど」
「そう、九時ならいいんだね」
 あくまでそう言う彼女に俺は考えて。こうした。
 その日本製の時計をだ。三時間遅くして。それから言った。
「これでいいよな」
「えっ・・・・・・」
「今は六時だよ」
 裏技だった。それを使った。
「まだね」
「六時って」
「三時間もあるけれど」
 俺は笑って。彼女に言うのだった。
「どうするの?帰るの?」
「三時間もあるの」
「そう、三時間ね」
 このことを強調して。彼女に話す。
「あるけれどどうするのかな」
「三時間もあったら」
 遂にだった。彼女もこう言ってきた。
「それじゃあ」
「いいよね」
「ええ」
 ここまできてやっとだった。こくりと頷いてくれた。
「それなら」
「よし、じゃあ話は決まりだね」
 笑顔で言う俺だった。
「あと三時間遊ぶか」
「六時なら仕方ないわよね」
「そうだよ。九時まで時間があるんだから」
 時間なんてこんなものだった。時計の針が六時なら六時だ。それで話を決めてしまってから。俺はあらためて彼女にこう言った。

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