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Epos7八神家の日常〜Working〜
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きた。シャマルに「ああ」と短く答えて玄関扉を開ける。リビングからはシャマルが近所の婦人方と井戸端会議をして楽しかったことなどを主はやてに話しているのが漏れ聞こえてくる。

「私も近所の住人と輪を作るべきか・・・?」

そう考えるものの私はシャマルほど話し上手ではない。ふと、シャマルと先程まで話していたであろう婦人方が私を見ていることに気付いた。私は出来るだけ笑顔になるよう努め、「こんにちは。いつもシャマルがお世話になっています」一礼する。すると婦人方は呆けてしまった。何か間違ってしまったか? 時間からして、こんにちはという挨拶でもいいと思ったのだが。

「お、おはようございます・・・?」

改めて言葉を変えて挨拶をする。それでもご婦人方は呆けるため、「あの・・・?」少なからず私は傷ついた。ご婦人方はハッとし呆け挨拶をすぐに返さなかったことに対し謝罪をして、何故呆けたのかを教えてくれた。

「女の子にこんなことを言うのはどうかと思うんだけど、シグナムさんってカッコいいから」

「そうよね〜。挨拶されてドキッとしたもの」

「外国の方だから顔が整って凛々しいのよね」

そう私の外見を褒めていただいた。それに礼を言うと、婦人方は頬を赤らめて口々に「カッコいい」と呆けた。そんな婦人方と別れ、近所をぶらぶらと歩く。散歩と言えば聞こえは良いが、今の私の状態は徘徊と言えるだろう。当てもなく、役立たずの烙印を押される間近であることにショックを受け、そんな私を見られたくないがために家を出たのだ。

「・・・・っと。住宅街を抜けてしまっていたか」

気が付けば小さな商店街に着いていた。もと来た道を戻ろうとしたところで、「すいません。ちょっといいですか?」スーツ姿の若い男、青年が私に声を掛けてきた。出来るだけ不愛想にならぬように心がけながら「何か?」と訊ね返す。我らの失敬で主はやての評判を貶める真似は出来んからな。

「僕はこういう者なんですが・・・」

そう言って名刺を差し出してきた。名刺を受け取り、目を通す前に青年は話を切り出した。曰く、私を写真のモデルに起用したい、とのこと。

「僕たちは綺麗であったり、可愛いであったりする女の子たちの写真を撮って雑誌に掲載するお仕事をしてるんですよ。もちろんタダでとは言いません。お給料も出ますよ」

(給料。これも仕事、なのか? しかし・・・)

――それに外国の人が働くにはもっと要る物が増えるんよ。在留カードってやつやったっけ?――

「すまないが他を当たってくれ。私は在留カードを持っていない」

仕事に就くために必要な証明書を持っていないために断わる。所持していないまま働いたとなれば、警察に厄介になり主はやてに迷惑を掛けることになる。

「っ! 持っていない、です
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