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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
白夜叉の送別会
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いかよ。」

一輝は不本意そうにそういった。

「さて、少年達も来たことやし、僕も後任らしくもう少し根性見せようか。――――そう言うわけやから、さっきまでみたいには行かんで、白夜王。」
「まあ、俺もこいつらの前でそんなことは出来ないからな。もうちょい、後先考えるのを止めるか。」

二人は僅かに闘志を滾らせる。
対する白夜叉も挑発的な笑みを浮かべ、微笑む。

「よい、まとめて相手をしてやろう。・・・ところで、後から来た五人はゲームルールを知っているか?」
「ええと・・・この闘技場から突き落とせば勝利とは。」
「うむ、確かにその通りだ。だが、それではさすがに不利すぎるからの。よって、参加者には救済措置を用意してみた。」

白夜叉がパチンと指を鳴らすと、四対の発光体の光が衰え、本体が見える。
そこには丑、虎、戌、亥の獣印が入っている。
それを利用した特別勝利条件が、このゲームには用意されているのだ。
その内容は、『四獣の獣が駆ける謎を解き、季節を薫る花の簪を沈む大地に突き立てよ』。

「まあ、俺には何にもわからないんだけどな。」
「簡単には解かせぬよ。」

が、その意外な展開に、飛鳥は明るい声を上げた。

「そう・・・ふふ。それなら、私達にも十分に勝ち目がありそうじゃない。」
「無茶言うなよ。その条件を満たそうと行動すれば、間違いなく白夜叉の標的になるんだぞ?」
「せやから、白夜王の妨害をかわしながらになるんやけど、無理やろ?」

蛟劉のその台詞に、十六夜はむしろ楽しそうに笑う。

「何だ、それなら話が早い。せっかく頭数がいるんだから、二手に分かれればいい。」
「じゃあ、それで行くか。俺は白夜叉に挑む。スレイブ、付き合ってもらえるか?」
「もちろんです。私は貴方の剣。貴方の望みに従いましょう。」
「なら、私達が謎解きね。」
「うん。そんなに難しそうじゃないから大丈夫。」

そして、七人が戦闘体制を取ると、白夜叉は扇を掲げ、ゲーム再開を叫んだ。

「では相手してやろう。かかってくるがよい、問題児共ッ!」

その瞬間、四体の発光体は闘技場を駆け回る。
そして、攻撃隊が発光体を攻撃しようとした瞬間、全員の足が闘技場から離れた。

「クソッタレ、空中じゃどうにもならない!春日部か一輝に拾ってもらうしか、」
「無駄じゃよ十六夜。他の連中は既にリング外だ。一輝も、ほれ。」

白夜叉がさすほうに十六夜が視線を送ると、一輝が片手に大剣をもって浮かんでいた。

「遅い、遅すぎるぞ小僧。おんしらが遅いせいで、謎解きタイムが終了してしまったぞ。」
「は、はあ!?今始まったばかりだろうが!」
「いや、違う。もう始まっていた。そして、悠長なゲームメイクを選んだせいで、敗北をしてしまったのだ。
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