第百四十七話 死闘のはじまりその三
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「わかったな」
「では今より」
「我等も」
「よし、そしてじゃ」
さらにだと話す信長だった、次は。
「二郎」
「はい」
次は九鬼だった、彼もすぐに応える。
「ではですな」
「そうじゃ、御主は城に着いてからじゃ」
それからだというのだ。
「すぐに港で船を用意せよ」
「そして長島を海から塞ぎますか」
「それと共に攻めよ」
それもせよというのだ。
「その時は新五郎達も船に乗れ」
「わかりました」
今度は林が応える、信長の言葉にすぐに。
「それではその時は」
「頼むぞ、久助と小六は」
滝川と蜂須賀はというと。
「忍の者達を率いてな」
「はい、今すぐに城に」
「向かいます」
「そうせよ、御主達もな」
そう告げてそしてだった、滝川達も行かせた。信長は軍を次々に動かさせた。
そのうえで自らも大軍を率いて城に向かう、だが兵を急がせる中でも彼は焦ってはいなかった。
それでだ、こう羽柴達に言うのだ。
「これでよい」
「彦九郎様はですか」
「助かりますか」
「うむ、何とかな」
こう言うのだった、羽柴と明智に。
「そうなる、しかしじゃ」
「長島ですか」
明智がすぐに言って来た。
「あの寺ですな」
「この戦は彦九郎を救って終わりではない」
信長は長島のことを念頭に置き話していく。
「あの寺をどうにかしてこそじゃ」
「それからになりますな」
「殿、長島のことですが」
今度は羽柴が言う、今は彼も真剣な顔である。
「どうやら門徒の数は数万です」
「流石に多いのう」
「はい、しかしそれがしが聞いたところ長島の門徒は三万でした」
「それがというのじゃな」
「数万、五万以上はおるとか」
これは老若男女合わせてだ、それだけの数はというのだ。
「多過ぎるかと」
「そうじゃな、確かに」
「何処からそれだけの数が出てきたのでしょうか」
「殿、そのことですが」
長谷川が信長に言って来た。
「どうも長島で門徒に加わった国人達は殆どおりませぬ」
「殆どか」
「伊勢全体で、です」
長島だけではない、伊勢全てでだというのだ。
「織田家に従いむしろそれぞれの場を固めて」
「わしを待っておるか」
「中にはそれぞれ合流し一向宗に向かおうとしている者達すらいます」
信長がそれだけ国人達を従え組み込んでいるというのだ、彼等の身分を保障しそのうえで取り込んでいく信長の政が当たったのだ。
それで国人達は織田家の家臣のままだ、だがだというのだ。
「しかしそれでどうして彼等の数が増えたのか」
「それがわからぬな」
「はい、そうです」
全くだとだ、長谷川は怪訝な顔で信長に述べる。
「これが」
「三万の門徒に何処から数万も加わったか」
信長もわからないところだ
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