第四十九話 柳の歌その九
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「だからな」
「私達もですね」
「知っていくんですね」
「うむ」
その通りだというのだ。
「だからじゃ」
「これからも勉強ですか」
「そうしていくべきなんですね」
「人生は勉強じゃ」
生きている限りというのだ。
「よいな」
「生まれてから死ぬまでなんですね」
「ずっとなんですね」
「そうじゃ、わしもじゃ」
博士にしてもそうだというのだ。
「ずっと勉強しておるぞ」
「百数十年もですね」
「ずっとなんですね」
「そうして多くのものを身に着けたが」
だがそれでもだというのだ。
「しかしじゃ」
「それでもですか」
「まだまだなんですね」
「そうじゃ、知っていることは僅かじゃ」
様々な博士号を持っており何十ヵ国もの言葉を喋る博士でもだというのだ。
「何しろわしはネッシーの正体すら知らんのだからな」
「あれ本当にいるんですか?」
「実在してるんですか?」
「おそらくおることはおるじゃろう」
その目撃例は多いyが偽物の写真や見間違いが殆どだ、だがそれでもだというのだ。
「ネス湖自体にはおらんでもな」
「じゃあ海から川を使って来ているのかしら」
「そうかしらね」
二人はネッシーについてはこれまでも色々な話を聞いていた、この未確認動物については本当に多くのことが言われている。
「あの湖自体は大して生き物も多くないのよね」
「それに大きな生き物がいるには辛いっていうから」
「だからネス湖自体にはいないって」
「そう思われるっていうわね」
「そうじゃ、わしもネス湖自体にはネッシーはおらんと思う」
博士は生物学者でもある、その立場からの見識である。
「しかしおることはおる」
「じゃあやっぱり海からですか」
「川を使って来てるんですね」
「そうじゃ、とはいってもネッシーが恐竜か何かはわからぬ」
博士は水羊羹を食べつついぶかしむ顔で述べた。
「恐竜ではないとは思うが」
「じゃあアザラシですか?」
「それとも鯨ですか?」
二人はネッシーの正体で挙げられることの多いこの二種類の生き物を出した。
「それか鰻か」
「流木って噂もありますね」
「流木の見間違いは実際にある」
このことは否定できないことだというのだ。
「しかしじゃ」
「それでもですね」
「流木以外にも」
「あるじゃろう、シーサーペントやも知れぬしな」
海にいると言われている巨大な未確認生物である。この生物についても正体は諸説あるのが実情だ。
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