TURN112 独裁者の名その七
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「今は」
「そうなの」
「攻める時じゃないです」
今は、というのだ。
「ここは守りましょう
「長官はどう思うの?」
カテーリンはリトアニアの謹言を聞いてからゲーペに問うた。
「今は」
「はい、私もリトアニア君と同じ考えです」
モニターに出たゲーペは生真面目な声で答えた。
「今はです」
「そうなの、じゃあ」
「ここは守りましょう」
ゲーペはあらためてカテーリンに進言した。
「そうしましょう」
「わかったわ」
カテーリンは少し渋ったがゲーペの言葉に頷いた、そしてだった。
ソビエト軍は人工衛星の間に展開して枢軸軍を迎え撃った、その彼等を見てだった。
ジューコフは静かに、だが確実な声で全軍に言った。
「オーソドックスで隙のない布陣だが」
「それでもですか」
「この陣は」
「破ることが出来る」
それは可能だというのだ。
「防空システムのない人工衛星も多い」
「あっ、そういえば確かに」
「そうですね」
「そうした衛星から攻撃をしてだ」
「破壊してですね」
「そのうえで」
「次に敵の艦隊だ」
衛星の守りがなくなった彼等をだというのだ。
「攻めていけばいい」
「見たところ旧式の人工衛星が多いので」
リディアも今のソビエト軍を観て言う。
「そうした衛星から破壊してですね」
「そうだ、バリアを備えている衛星は多いがな」
だがそれでもだというのだ。
「防空体制があるものは少ない」
「うちはずっと艦載機を軽視してましたからね」
コンドラチェンコもジューコフに応えて言う。
「ですから古い衛星になりますと」
「しかも他の星域から持って来た人工衛星が多い」
それでだというのだ。
「旧式のものをな」
「新型なら防空体制が整っていますが」
また言うリディアだった。
「旧式のものは違いますから」
「どうしてもだ」
「はい、艦載機には弱いですね」
「それならだ」
「まずはそうした衛星から破壊して」
そしてだというのだ。
「艦隊もまた」
「そうしますか」
「今は」
コンドラチェンコとリディアがジューコフの言葉に頷く、そうしてだった。
枢軸軍は守りを固めるソビエト軍への攻撃をはじめた、まずは防空体制が備わっていない人工衛星からだった。
艦載機で攻撃を仕掛ける、それを観てだった。
カテーリンはすぐに憤る、そして言うのだった。
「敵の艦載機を何とかして!」
「もう迎撃のヘリを出していますが」
ウクライナがそのカテーリンに応える。
「ですが」
「それでもっていうの?」
「はい、ヘリは動きが普通の艦載機より遅く」
そしてだというのだ。
「まだ操縦に慣れていないので」
「運用は?」
「それにもです」
やはり慣れていないというのだ
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