TURN112 独裁者の名その三
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「絶対に負けないから」
「だからこそですね」
「そう、ここで負けるつもりはないから」
ロシア妹にも答える。
「皆頑張って!防衛体制を整えるのです!」
「わかりました、同志書記長」
「これより」
将兵達も応える、そしてだった。
ソビエト軍の将兵達は防衛体制を整えていた、艦隊も急ピッチで修理にかけそしてだった。カテーリンはさらに行った。
「私も出撃するから」
「同志書記長もですか」
「そう、そうするから」
ゲーペに対して強い声で応える。
「私だけ何もしないって大嫌いだから」
「それは今もですね」
「皆で動いて皆で幸せになるの」
カテーリンはゲーペに言いながらせっせと動いていた、そうしながらの言葉だった。
「共有主義はそうでしょ」
「はい、誰も分け隔てなく」
「だから皆と一緒に戦うから」
そうするというのだ。
「試作艦を出してね」
「じゃあ私も出るよ」
ミーリャもここで名乗り出た。
「私も戦わないといけないからね」
「有り難う、じゃあミーリャちゃんもね」
「うん、戦うよ」
首相である彼女も戦うことになった、ソビエト軍は国家主席と首相も出撃しまさに後がないことを窺わせる状況だった。
だがその中でだ、ゲーペはそのカテーリンとミーリャ、そしてロシア兄妹にそっと囁いた。
「若しもの時ですが」
「あの星域に入るんだね」
「はい、既にロリコフ博士がいます」
こうロシアに答える。
「そしてそこには」
「クローンがだね」
「艦艇も用意されています」
だからだというのだ。
「再起も用意していますので」
「じゃあ万が一ここで負けても」
「はい、まだ我々は戦えます」
それが可能だというのだ。
「ですからご安心下さい」
「わかったわ、けれどここで絶対にね」
カテーリンもゲーペの話は聞いた、だがそれでもだというのだ。
「勝つから」
「そうです、ですが若しもの時の備えは必要ですね」
「それはね」
このことはカテーリンもわかる、こうしたことまで考えが及ばなくては国家元首としてやってはいけないからだ。
「絶対に」
「そうです、ですからあの星域にも用意しています」
「若しカテーリングラードで負けても」
「我々には後があります」
「ここで負けたらあそこに入るんですね」
ミーリャもこうゲーペに尋ねた。
「そうするんですね」
「そうです、ただあの星域に入るのは」
その顔触れはというと。
「私達五人だけになります」
「あの星域の存在を知っている私達だけですね」
「はい」
その通りだとだ、ゲーペは今度はロシア妹に答えた。
「他の人達は敗れた場合は」
「降伏してもらいます」
枢軸軍にだというのだ。
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