第一物語・後半-日来独立編-
第六十章 解放《5》
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
彼女のためでもある。
世界を知ることで、客観的に辰ノ大花を見ることにも繋が、結果将来のためとなる。
それに、恋人と一緒にいることは当然のことだ。
「判治……貴方の学勢、いい子達ね」
同じ学長となった後輩の教え子。
後輩であった判治の教え子の手によって、自分の教え子である奏鳴は救い出された。
こういうこともあるのかと、長年生き続けていた蓮は少し驚いている。
ただ遠くを見る蓮の目の先には、空に浮かぶ大きな日来の姿があった。
●
日来学勢の魔法術師達により戦闘艦は減り、比例して砲撃が弱まる。結果として防御戦が楽になり始めた頃。長莵神社にて、女子数名が騒いでいた。
周囲のことは気にせずに、若い力を振り撒いていた。だが周囲には彼女達以外、誰もいなかったために長莵神社を護っている美兎の両親に怒られることはなかった。
それに一番騒いでいるのは、
「やりましたああ! やってくれましたよ――! さすがセーラン君ですよおおおおお!」
「美兎、あんたってば騒ぎ過ぎよ」
「と言ってる明もそのガッツポーズはなんでしょうねえ」
「セーランに彼女出来るフラグよ、これ! つまり琴姫が私のヒロインとなる時代が来たってことよおおお! 嬉しくないわけがないわ!」
「ひろいん? わたし、が?」
琴姫こと美琴は理解出来ていない様子だったが、これ以上その話題は危険だと感じ、美兎と恋和の二人は話を切り替える。
一度美琴に夢中になってしまうと何をするか分からない。
気を付けねば、と意思疏通によって二人は思った。
「これでセーランも幸せになれますね」
「はい、ずっと想い続けていた相手が救われたんです。幸せに決まってます」
美兎と恋和は笑い合う。
本当によかったと。
きっと灯も話題に乗っかってくると信じて、だがしかし一方の明は、美琴をさらって何処かに消えていってしまった。
後になって気付く二人は、別の事態を解決すべく慌てて灯を探し始めた。
●
中央前方船・明石の船首近くにいるアストローゼとニチアにレヴァーシンクは、急いで次の戦術を練っていた。
宇天の長が“生きたい”とは言ったものの、解放場から救出する方法に、その後の黄森との戦い。これらをどのように処理する、最も効率のよい方法を探っていた。
「辰ノ大花には伝達者の飛豊を送った。飛豊には日来に戦う意思は無いことを証明してもらい、辰ノ大花にも同じようにやってもらう」
レヴァーシンクはあらかじめ用意してある作戦を元に、戦術を再構築していた。
彼と話す相手は、覇王会指揮官であるアストローゼだ。
「それでいいだろう。無抵抗な敵に攻撃を仕掛け続ければ、黄森はたちまち名が落ちるからな。しかし問題は解放場からどのように、二人の長を救出するかだが」
「解
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ