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妖精の十字架
〜聖十の称号〜
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ギルドに戻り、マスターに報告後、俺はミラの居る、カウンターに座った
そして、いつものお酒を注文する

「はい。クルス、聖十になったんだって?」

「ありがと。あぁ、ついさっきなってきた」

ミラも俺の向かい側に腰掛けての会話が続く

「あの・・・この間は・・・ありがと」

この間・・・幽鬼の襲撃の時のことか

「いいって。気にするな」

言ってから、抱きしめたことを思い出し、顔が若干赤面した
しかし、ミラも相当赤面していたので、お酒のせいにしておこう

「あの、さ・・・」

「あの、さ・・・」

俺とミラの言葉が重なった

「え?あ、なに?クルス?」

「ん、いや、ミラは?」

両者とも中々譲らない

「あ、じゃぁ私から・・・」

な、何を言うつもりだ・・・?

「また、クエスト付き合ってくれない?この前の恩返し、的なクエストなんだけどね・・・?」

「あ、あぁ、全然構わんぞ」

ミラはすごく喜んでくれた
俺は、その光景にいつも以上に癒された

「あ、クルスの用は・・?」

「え?あ、いや・・・」

俺はウルハ酒を一気に飲み干した
そして

「俺な・・・親父に捨てられて、ずっと独りだったんだ」

ミラは、静かに話を聞いてくれた

「でも、お前は俺のそばに居てくれた」

「それだけでもうれしかった。だから・・・」

ミラは、自分のグラスを強く握った

「俺の、この気持ちが感謝なのか、一体なんなのかわからなかった」

「気持ちくて、苦しくて、幸せで・・・」

「でも」

ミラは、俺の目を真っ直ぐに見据えた

「やっとわかった。俺は」

「・・・」

「ミラ、お前が好きだ。これからも、ずっとそばに居てくれないか・・?」

「・・・私も、クルスが好き!私でよければ、そばに居させて・・・?」


ミラの頬を綺麗なしずくが流れた
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