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妖精の十字架
〜聖十の称号〜
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「・・・終わった、か」

気を失ったジョゼを見下ろして小さくつぶやく
俺の滅竜奥義は、ダメージも絶大だが、それ以上に、直接魔力の器を破壊する。そう、ジョゼはもうほとんど魔力を貯められない
せいぜい、下級魔道士の中の上、ってところだろう

「あまりにもえげつないから、使いたくは無かったんだがな・・・。大切なものを傷つけられたら全力で潰せ」

「親父の教えだ」

そこまで言った時、背後に殺気をかすかに感じた

「もらったぁぁ!!」

「しまツッっっ!?」

アリアだ。気配に気がつかないとは・・・!?
しかし、俺に攻撃が放たれることは無かった

「・・・!?マスター!?」

アリアを吹き飛ばし、その両足を地につけていたのは、我らがマスターだった

「終わりじゃな。わしが来るまでもなかったわい・・・」

俺は照れくささ半分、うれしさ半分の笑顔を浮かべた














――――――――その後、俺たちはすぐに評議院に捕らえられ、事情聴取を行われた
しかし、その結果は俺らの全面的無罪。正当防衛だった
なのに・・・俺は・・・

「なんで評議院に連れてかれる・・・」

「申し訳ありません・・・どうしても連れてこいと・・・」

馬車に乗せられて運ばれていく。数人の魔道士が俺に乗り物酔いの対処魔法をかけてくれている

「はぁ・・・」

正直、帰りたい。そして、ミラに会いたい・・・
ここで、ふとミラを想い出したことに、自分でも驚いたが、不思議と嫌な感じはしなかった




「さて・・・」

目の前には聖十の魔道士諸君がお集まりだ・・・
恐ろしや・・・

「なんの用かわかっておろう?」

「・・・俺を聖十に、だろう?」

ご老人はふっ・・・と笑った

「その通り。前に一度蹴られた案件だが、そのおかげでジョゼの様なものが現れたのだぞ?次は断るまい」

・・・反論できん
確かに俺は過去に一度このお誘いを拒否している。しかし、今回はそうもいかないか・・・
仕方ない

「了解した。俺を聖十の末席に置いといてくれ」

するとご老人は目を大きく見開いた

「それはならん!貴公は魔力、武道、知識。どれをとっても素晴らしい!」

「ならば・・・?」

「貴公を、第二の席に置くこととする。無論、皆の承認は得ておる」

今度は俺の目が大きく見開く番だった
まさか、そこまでの過大評価だったとは・・・

「仕方ない。そうしておこう」

「そうか!よろしく頼むぞ!」

「受けた依頼は完遂。親父の教えだ、安心しろ、一度承認したからにはやり遂げて見せる」

それだけ言い残し、俺は部屋を後にした






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