暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第2話「地下水路内の探索」
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ーーー【地下水路内】
響く下水の流れる音。鼻が曲がるような強烈な悪臭。
そして、そんな下水の世界に相応しくない黒い服の少女と少年。
「うぅ……ひどい臭い……」
アイリスが、両手で鼻を押さえながら水路内を歩く。
「本当にひどい臭いですね………ぅおえ……」
クリスがその後ろから、吐き気を必死に堪えてついていく。
クリスは"悪魔の末裔"または"フォールマン"と呼ばれる存在だ。
姿や臓器の構造は、人間とそう大して変わらない。しかし、五感や細胞・筋肉の構造は、どちらか
と言えば悪魔に近い。人間と比べると頑丈で、滅多なことでは死なない。
五感が人間より優れている、ということは、嗅覚が人間以上に良いということになる。
そんなクリスにとっては、下水の流れる地下水路は地獄のような環境だ。
「大丈夫?クリス君」
そんなクリスを心配して、アイリスはそっとクリスの背中をさする。
「本当にすみません……」
「顔色悪いよ?無理しないでね」
アイリスはクリスの顔色を正面から覗いて心配する。
彼女自身は無自覚だが、顔と顔の距離が近い。お互いの鼻がくっつきそうなほど。
真っ青だったクリスの表情が真っ赤になり、慌てた様子でアイリスから離れた。
「だ、大丈夫です!無理なんてし、してません!」
アイリスは頭に?マークを浮かべながらも、真っ赤になったクリスを心配する。
「………本当に、大丈夫?」
「大丈夫です!さあ、行きましょう!」
「(ほ、本当に恥ずかしかった……僕も少し女性への免疫をつけなければ………)」
ーーー【地下水路・中央管理室】
惨い有り様だった。中央管理室に充満する血の臭い。壁一面に広がる赤黒い血。
壁の側に倒れている、作業員だったもの。首から上が無くなって、両腕の筋肉も削がれ、骨が露出
していた。かろうじて両足は残っていた。
「…………酷いですね……これ」
「……そうだね……」
「首の根元の噛み傷と、腹部の引っ掻き痕………恐らく、ゴブリンですね」
<<ゴブリン>>
「シェルター」内におよそ300体が確認された、最もポピュラーな悪魔だ。
強欲で、破壊と殺戮を何より好んでいるが、どれだけ壊し殺しても、満足することがない。
本能のままに行動する最も下位の悪魔だ。
特徴は人型で、二足歩行。鋭い爪と牙を持つ。
走る速度は人間と変わらない。また、集団で行動することが多く、ほとんどの場合3〜4体で
固まって行動する。
しかし、他の悪魔に比べると力は弱い
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