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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Introduction
第五話 クラス代表決定戦
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「西園寺紫音、月読……でます」

 宣言と共に僕はISを展開する。すぐさま僕の体の周りを光が覆い、漆黒の装甲が広がっていく。
 そして僕は向かう、友人と戦うために。

『それが紫音の専用機ッスか』

 既にISを展開して待っていたフォルテさんが僕を視界に入れオープンチャネルで声をかけてくる。
 
「そうですね、月読です。今日はよろしくお願いしますね」
『紫音としては次の楯無戦の方が気になるところだと思うスけど……、楽はさせないッスよ!』
「ふふ、そんなことはないですよ。フォルテさんとの一戦も楽しみにしていました。こちらこそ、全力でいかせていただきます」

 お互い向かい合い、闘志をぶつけ合う。あぁ、シミュレーションや山田先生との試験では感じなかった生身の人間とのやり取り。やっぱり全然違う、どこか……心地良い。





「あれが西園寺さんの専用機、月読ですか〜」

 管制室のモニターを見ながら二人の副担任でもある山田真耶は声を漏らす。
 彼女の視線の先にあるのは紫苑とその専用機である月読だ。
 その漆黒の装甲は、一般的なISと比べて薄めではあるものの、ほぼ全身を覆っている。四肢や一部の要所に重点的に展開される他のISと比べると対照的だ。
 そして最も特徴的なのは、背面に従える一対のフィン・アーマーだろう。鱗のようなものが組み合わさって広がるこのフィン・アーマーと全身を覆う吸い込まれるほどの漆黒の装甲は、伝承などでよく目にする悪魔にも見える。いや、薄い装甲故に(中身が作り物とはいえ)女性特有のスタイルがハッキリと見て取れ、顔の部分は覆われていないためその美しい容姿も隠さない。その姿は妖艶さすらも漂わせており、悪魔は悪魔でも、夢魔や淫魔といったところか。

 一方相対するのはフォルテ・サファイアとその専用機であるコールド・ブラッド。
 やや赤みがかったその装甲は全体的に刺々しく、鋭い。それは月読のように全身を覆うわけではなく、一般的なIS同様に四肢と頭部、そして腰回りが大部分だ。
 こちらも特徴的なのは背面に従える物体、ただしそれは月読のそれとは大きく異なり、ブーメランのようにやや折れ曲がった四本の赤い浮遊物。コールド・ブラッドの代名詞とも言える、特殊武装『血塗れの牙(ブラッディファング)』。小柄ではあるが、その各部位の鋭さや操縦者から漏れ出る闘志からその姿はさながら小型の肉食獣といったところか。

 月読の翼やコールド・ブラッドのブラッディファングは『非固定浮遊部位(アンロックユニット)』と呼ばれ、本体に直接つながっておらず浮いた状態となっている。そのため用途もそれぞれ多岐にわたる。

「武装や特徴は奇しくも共通点が多い。もっとも、現状まともに機能しないらしい月読のフィン・アーマーに対して、
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