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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第212話】
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「…………わか……った」
か細い声だが、返事をしたという事は少しは心を開いたのだろうか――。
「……じゃあ、俺はこのままアリーナに居るから何かあれば来てくれよな?」
「…………」
返事はなかったが、静かに頷く更識さんを見て、俺は必要な道具一式を持って整備室を後にした。
アリーナへと向かう道中――。
「はぁい、ヒルトくん♪」
そんな俺の名前を呼ぶ声が聞こえ、振り向くとそこに居たのは――。
「楯無さん?」
「そうよ、楯無お姉さんの登場♪」
そう言ってウインクし、勢いよく扇子が開く音が聞こえた。
「久しぶりですね、楯無さん。 ……二学期まで忙しいって言ってた気がしますが――」
「うふふ、今日の雨で予定がダメになっちゃったのよ。 だ・か・ら♪ 今日一日、お姉さん暇なんだぁ……」
そんな甘えたような声で俺に告げる楯無さんは、口には出さないが遊び相手になってほしいという雰囲気を醸し出していた。
「……暇でしたら、久しぶりにIS操縦教えてくれませんか?」
「ん? ん〜……。 ……せっかくだったら、お姉さんと模擬戦しない?」
一瞬何かを考えてから、思い付いたように閃いて悪戯を考え付いた子供の様な表情で模擬戦を提案してきた楯無さん。
「模擬戦? ……自分としては願ったり叶ったり何ですけど……良いのですか?」
「うん。 忙しくてこの子の運用データ、あまり取れてないのよ。 それに――」
「……?」
ゆっくりと近付き、耳打ちしてくる楯無さん。
甘い香りが鼻孔を擽ると、何だか気持ちが少し落ち着かなかった。
「……君の実力……そろそろお姉さんも体験したいかなぁ……ってね? ……ふぅ……♪」
言い終わると同時に耳に息を吹き掛ける楯無の行動に、びっくりして跳び跳ねてしまった。
「どわあっ!? な、何するんですか!? びっくりするじゃないですか!!」
「うふふ。 お姉さんの悪戯よ、ヒルトくん♪」
茶目っ気たっぷりの笑顔で答える楯無さんに、下手に怒る事も出来ずに俺は――。
「か、勘弁してくださいよ。 思春期の男子を弄っても仕方ないでしょ?」
「あら? そんなことないわよ♪ ヒルトくんって何処か弄りたくなるのよね、お姉さん的に……♪」
蠱惑的な笑みを浮かべる楯無さんは、開いた扇子で扇ぎ始める。
「……まあいいですが……。 じゃあ模擬戦、お願いします。 雨が降ってますがここのアリーナは開閉式ですから特に気にする事はないと思いますが――」
「うふふ、大丈夫よ。 お姉さん的には【雨の方がいいから】ね♪」
そう
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