第二十八話
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の意識が自分からそれただけで十分だった。
一瞬でディアは先程銃弾を放ったサンドファングに肉薄すると、左手に握られている片手剣を振るい、サンドファングの体に一太刀浴びせる。
「せい!!」
銀色に光り輝く刃が深々と肉を切り裂き、刃に真っ赤な液体が付着する。
そのままデスぺリア・アンブラーを先程の片手剣のように空中に放り投げると銃と入れ替わるように放り投げた片手剣が落下してくる。その柄をユーリのように鮮やかに掴み取る。
そのまま剣の一閃を繰り出す。
今度は剣先が肉を抉り取るように体の中にどんどん沈んでいく。
サンドファングは苦しみながらも何とか抵抗しようと己の牙でディアの腕に噛みつき顎に力を込める。
そしてもう一体のサンドファングとアイコンタクトを取ると、もう一方のサンドファングは尾を構えながらディアとの距離を縮めていく。
ディアは噛みつかれ血が滴り落ちる腕を見ながら苦痛に顔を歪めるが、それでも休むことなく手を動かす。
「魔物同士の協力は厄介だな・・・けど」
今度は左手に握られていた片手剣を空中に放り投げると、淡い光沢を放ち白銀色に輝き見る者全てを照らしてしまいそうな光をイメージさせる銃を取り出す。
漆黒に染まるデスぺリア・アンブラーとは対照的な銃。
その銃でまず腕に噛みついているサンドファングの顎目掛けて引き金を引くと音速を超える弾丸が顎を打ち抜き、力が抜けた一瞬を狙って腕だけを引き抜き落下してきたデスぺリア・アンブラーを掴み取る。
セイント・グリン。〈聖なる閃光〉
デスぺリア・アンブラー。〈絶望の闇〉
相対する光と闇。一方は全てを照らしだす存在。一方は全てを飲み込む存在。
本来の性質の光と闇は共存する事などあるはずがなかった。しかしこの二丁の銃は違った。
お互いは市販の拳銃の精度を遥かに上回っていた。そしてセイント・グリンとデスぺリア・アンブラーもお互いを上回る能力を持っていた。
セイント・グリンの弾丸は音速の超え、銃口から放たれた弾丸は閃光そのもの。
そして様々なマナを大量に蓄積できるため闇属性以外のマナを融合させた弾丸を放つことが可能だった。しかし威力がその分弱まってしまい相手を確実に仕留める事ができなかった。
しかしデスぺリア・アンブラーはそれと真逆の性質だった。
速さは並みの銃以下。だが放たれた銃弾は黒く染まり全てを飲み込む闇そのもの。
威力はライフルと同等、もしくはそれ以上だった。さらに小規模な爆発も起こせた
マナはごく一部しか蓄積されず、闇属性のマナ以外は使用不可能。しかし命中すれば必ず相手を仕留める必殺の銃弾だった。
その二丁の銃は互いが互いを支えることによって力を限界まで引き出すものだった。
だが、その力ゆえ扱えるものは現れず、だからリカルドも扱わず元あった場所に戻そうとまで考
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