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錆びた蒼い機械甲冑
Y:理不尽な騎士
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出来る様な芸当では無い。

 そして、滅多にない《リニアー》の完璧な不発は、同時に騎士から繰り出される反撃の格好の的となることを意味し、それを体現するかのように機械騎士は拳を捻って打ち出した。



「アスナーッ!!」



 そのキリトの叫びも空しく、拳は吸い込まれる様にアスナへと撃ちこまれ――――





「ぬああぁぁっ!」


 なかった。
 横から現れた両手斧使い、エギルが《ワールウィンド》で無理やり割り込み、そのエギルの攻撃を避ける為に騎士が大きく飛び退った為、アスナへの攻撃は不発に終わったのだ。



「お前ら……逃げろっていったのに……」
「悪いが、同じパーティーのメンバーがやられそうになっているのを見逃せるほど、俺は大人じゃないんでな」
「それに、キリト君にだけいい格好何てさせないんだから」
「負傷者の搬送は―――」
「それはキバオウ達がやっている。もう少しで全員が脱出できるぞ、後少し踏ん張れ!」
「任せてキリト君、さっきは失敗しちゃったけど次はもう大丈夫よ!」


 キリトはエギルから拾い渡された“アニール・ブレード”を握り、決心したように頷いた。


「二人とも聞いてくれ……アイツに一撃入れられる作戦がある」
「本当!?」
「出来るのか、そんな事が」
「ああ、それに……



上手く行けば、倒すのは無理でも退却するまでの時間は作れるかもしれない」



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