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錆びた蒼い機械甲冑
Y:理不尽な騎士
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り払い、発覚した行動の共通点に思考を絞る事にした。

 通常攻撃を重ねながら、わずかに出来た隙に《閃打》を打ち込み連撃を重ねていく。全てを騎士に躱わされ防がれながらも、彼は機械騎士を引き止める為に動きを止めない。

 キリトの右振りを騎士はステップで避け、騎士の繰り出した蹴りを彼はギリギリ交わした後に転がるように距離を取り、連撃で隙を作って再び《閃打》撃ちこむ。次いで来る騎士の拳によるニ連撃を、一つはのけぞって交わし、一つは吹き飛ばさんばかりの衝撃に耐えながらガードする。
 状況的には彼が劣勢ではあるものの、今までの戦闘とは比べ物にならない程に善戦していた。


(よし……よし、いけるっ!)


 しかし、そう思ったのもつかの間―――騎士が己の武器の盾部分をキリトの件に合わせる様に叩き付け、高らかな音を上げて弾き飛ばしてしまったのだ。思わず剣が飛んで行った方向を見てしまったキリトには当然隙が出来てしまい、騎士の拳による一撃を容赦なく喰らってしまう。


「がはっ!!」


 ソードアート・オンラインには、良心か否か痛覚まで再現する機能は無い。だがこの騎士の一撃は、それを忘れさせるほどの威力をキリトに与えていた。


(くそ、剣は……)


 転がりながら眼を走らせ……それはあった。幸いにも砕けずに残り、場所も遠く無い。しかし、キリトは機械騎士の一撃により受けた衝撃で、すぐには立ち上がれない。
 案の定、機械騎士の眼は自分を通り越しており、既にその場所に向かって足を進めようとしていた。キリトが扉の方を見やると、けがや疲労などでもたついた為か、まだ脱出中のプレイヤーが何人も居た。


 まだ諦めるものかと、キリトは歯を食いしばって立とうとする。剣を拾ってからギリギリ間に合うか間に合わないか……考える間もなく手を伸ばすキリトの視界に――――俊足で機械騎士に詰め寄る細剣使いの姿が映った。


「やああぁぁっ!」


 その細剣使い―――アスナは、細剣ソードスキル《リニアー》を発動させ、騎士に突貫する。
キリトの眼でもやっと追えるかどうかというその流星の様な《リニアー》に、大きく身をひるがえす事もせず、レイピアを弾く事もせず……何故か少し下がるだけだった。

 しかし、次の瞬間にその理由が分かる。


「あぁっ!?」


 アスナが驚愕の声を上げたその理由―――何と突きだしたレイピアの切っ先が、当たるか当たらないかと言う僅かな位置で止まってしまったのだ。

 それを見てキリトは瞬時に理解した。あの機械騎士は、何度か見たアスナの《リニアー》の射程を計算し、ギリギリ当たらない位置を割り出して、あの紙一重の状態になるよう動いたのだ。もはや、そこらのAIどころか、最新型AIだろうとも即座に
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